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ニセコで首都圏企業を対象にした「夏季サテライト・オフィス」誘致を開始

’10.09Hokkaido(1) 097

北海道有数のリゾート地・ニセコを抱える倶知安町と倶知安観光協会が、東日本大震災の影響で夏場の電力不足が懸念されている首都圏の企業を対象に、町内のコンドミニアムやホテルを事務所代わりに長期で貸し出すサービスに乗り出した。同町は夏も冷涼でクーラーがいらず、安く長期滞在できるため、同観光協会は「夏場の魅力も売り込みたい」と意気込む。(4/28付 読売新聞北海道版

早速、「ニセコ・リゾートオフィス・プロジェクト」のHPが開設された。これまでは、外国人やリタイア層が中心であったが、震災を契機に、首都圏の「法人」というあらたなターゲットが登場した。1室のレンタル料は月15万円(2LDK、約70平方メートル)からで、ふだんより4万~5万円安くしているという。勿論、光回線なども完備されている。

倶知安観光協会のプロジェクト立ち上げも早かったが、香港やシンガポールなどの不動産ファンドの引き上げも早かった。既に現地、札幌・東京などにある日本オフィスを閉鎖した企業もいくつかある。外国人向け需要は先が読めない状況だが、国内の法人向け需要はPRと啓蒙、受入れ態勢さえ整えられれば、将来に亘って、期待が持てるカテゴリーである。

かつて、アルファトマム・リゾートを開発した関兵精麦は、同地にオフィスを誘致し、仕事とレジャーが一体となった日本一のリゾート施設を造ろうとした。しかし、バブル崩壊や周囲に何もない立地、本体も3日も居れば飽きてしまうような環境では、絵空事であった。

ニセコ(倶知安)の場合、町としての最低限の体制は整っている。このあたりはトマムと異なる。ターゲットが外国人から国内へシフトをしたのは皮肉だが、本来、日本人客の長期滞在者が居り、その中に外国人がいるのが、あるべきリゾートの姿ではないであろうか。

EU誕生以前の南欧リゾートは自国民が少数で、経済的に豊かな英・仏・独などからの観光客が多かったが、南欧諸国の経済水準が上がったことで、自国民も現地にリゾートを持てるようになった。先日までのニセコ投資ブームは、日本人がかつての南欧諸国民のような状態で、健全な関係とは云えなかったと思う。

しかし、震災を契機に「ニセコ狂想曲」が終止符が打たれ、これまでの歪みが解消されるような方向に行ってくれればとよいと思う。その意味では、リゾート型オフィスへの期待は高く、外国人が戻ってくるきっかけ作りにもなるはずだ。

余談・・・倶知安町観光協会のサイトを開けると、「東洋のサンモリッツ・・・」というナレーションから始まる。このフレーズ、何十年使っているのであろうか。ニセコ(倶知安)はニセコであって、サンモリッツではない。この「東洋の●●」型キャッチは卒業する時代ではないか。「ニセコ」は立派なブランドである。

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