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「帝国ホテル」が札幌進出を断念、一方で京都では「リッツ・カールトン」が進出

三井不動産が札幌市内の道庁赤レンガ庁舎前で建設を計画する高層ビルの概要が明らかになった。これまで検討してきたホテルの誘致を断念し、オフィスと商業施設からなる複合ビルとして2014年に開業する。東日本大震災が発生して以降、国内外の富裕層の来道が減っており、高級ホテル誘致には時間がかかると判断した。(4/28付 日経新聞北海道版

三井不はこれまで札幌のホテル市場で空白だった富裕層向けの高級施設の誘致を検討。国内有数の高級ホテル「帝国ホテル」を誘致する方向で調整してきた。だが震災による原発事故で海外からの来道客が激減。富裕層の需要の見通しが不透明になり、ビルの計画を見直した。

かねてから噂されていた帝国ホテルの札幌進出(この件に関する拙ブログ記事はこちら)がご破算となった。札幌で最も高い36階建て高さ185メートルを想定し、上層階にホテルが入る予定であったが、誘致断念でビル本体の規模も縮小しそうだ。

札幌への高級ホテルの進出は、当初「ウエスティンホテル」の話が浮上したが、リーマンショックもあり、その後出なくなった。リーマンが落ち着きかけ、今度は外国人富裕層をターゲットに、帝国ホテルの筆頭株主である三井不動産が動いたと見られるが、ビル建設の構想が浮上してすでに約4年半が経過し、タイムリミットと判断して、帝国ホテル誘致を断念したのであろう。

札幌には五つ星といわれるようなホテルがない。4つ星クラスはいくつかあるが、最上級が存在していなかった(JRタワーが4.5ぐらいか)。かつての老舗高級ホテルは老朽化や経営交代などで輝きを失っている。外資系ホテルも何ヶ所かあるが、多くが中堅クラスのホテルである。

管理人は札幌のホテル事情を福岡とよく比較してみるが、どちらも最高級ホテルはないものも、福岡の方がリゾート志向の個性的なホテルが多いような気がする。

民間調査会社によるホテル満足度では、帝国ホテルは2位である。ちなみに3位は札幌にもある「ホテルオークラ」。そして1位が「ザ・リッツ・カールトン」である。

そのリッツ・カールトンが京都に進出することになった。京都新聞記事によると、鴨川沿いの「ホテルフジダ」があった場所に新築をするらしい。

地上4~5階建て、客室は140室程度で、標準的な客室は約50平方メートルのゆとりを持たせ、スパ(温浴施設)の併設も検討する。開業目標は2014年春で、宿泊料金は5万円以上となる見込み。京都には、14年春、東山区に「フォーシーズンズ・ホテル&リゾーツ」の進出計画もあり、外国人富裕層の取り込みを目指す外資系高級ホテルの競争が加速しそうだ。

景気や社会情勢に翻弄される札幌とその影響が少ない京都との違いは何であろうか?ひとつ理由を挙げるとするならば、北海道はアジア系観光客をターゲットにしているが、京都はワールドワイド、特に欧米系観光客が多い点なども関係していると思う。やはり、中国を元としたアジア勢はまだ基盤が出来ておらず、不確定要素が多い。また、受け入れる側も京都のようなパッケージが確立されていない。

震災・原発事故や世界経済を差し引いても、北海道観光は薄氷を踏む中にいる。

*リッツ・カールトンになるかつての「ホテルフジタ」は管理人のお気に入りで三度ほど泊まった。建物は古いが、鴨川沿いで京都らしい立地にあった。シングルは町家側にあったが、またそれも風情があった。鴨川を眺めながらの朝食が懐かしい。

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