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エアトランセの挑戦

エアトランセという航空会社をご存知であろうか?その前身のエアシェンペクスという名前の方が知られているかもしれない。シェンペクスは、帯広をベースにしたエアコミュータ会社で4年前に立上げたが、資金難や免許取得に手間取り実現には至らなかった。資金繰りが悪化し社長就任を要請されたのが江村林香氏(36)である。江村氏は、ベンチャー系のハイヤー・タクシー情報会社キャブ・ステーションからスタートし、現在タクシー・貸切バス管理会社から音楽家の派遣事業など5つの会社の経営に携わっているかなり名の知れた女性起業家である。
エアトランセは函館・帯広間を1日2往復(当初は3往復の予定であった)で結び、来年の3月就航を予定している。ベースは函館空港で既に機材の手配も完了している。これまで新規参入の航空会社は苦戦している。実現に至らず青写真で消えた例も多い。特にコミュータ便は利益確保が厳しく、道内では道が株主になる形で北海道エアシステム(以下HASと略・JAL系)と函館・奥尻の単一路線のエア北海道(エアニッポン子会社・ANA系)がある。
エアトランセがベースとする函館空港は、既に北海道エアシステムが、丘珠旭川・釧路・女満別線を就航させており、帯広線の就航後の新路線としてはANA色が強い稚内や中標津・紋別線ぐらいであるが搭乗率や採算性は?である。むしろ仙台や秋田、山形などの東北方面、季節運行とし観光需要を見込んで稚内・利尻・中標津(夏季)紋別(流氷期)など、また3社競合になるが、もっとも需要がある丘珠線あたりが新路線としては有望かもしれない。どちらにしても当初予定をしていた函館・帯広1日3往復は、往来需要から考えて、厳しい数字であると思っていたが、最新の資料では2往復に変更されていた。
江村氏は、観光タクシーや貸切バス事業でのノウハウ・ネットワークを活用し観光部門に力を注ぎ、集客をはかるプランを計画している。これまで団体向けディスカウントが難しいコミュータ便を使った北海道パッ
ク旅行は、皆無に等しかったが(*統合前のJASが系列のHASを使った商品を出していたがJAL統合後はなくなった)道南と十勝という直接移動が難しい両者が結ばれることで新しいタイプの旅行創出が可能になる。特に観光貸切ハイヤーとセットしたような高価格・付加価値ツアーなどはシニア富裕層や海外から訪れる観光客向けの商品として魅力かもしれない。また、思い切った割引制度の導入や、新しい発想の運賃体系など既存の航空会社にはないサービスを期待したいところだ。
これまでネットワークが希薄であった函館と帯広が結ばれ、会社運営を36才の女性経営者が行なうなど話題も多いので今後の展開が注目である。
エアトランセ http://airtransse.com/

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