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ふるさと銀河線はどうなるか

土壇場のふるさと銀河線はどうなるか
経営分析で存続困難とされ、2006年度にも廃止が予定されている北海道唯一の第3セクター鉄道ちほく高原鉄道「ふるさと銀河線」にあらたな動きが出ている。
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沿線の住民団体である「ふるさと銀河線存続運動連絡会議」(河瀬洋美代表)が、政府に対し「経済革革特区」の申請を出した。特区申請は、デュアル・モード・ビーグル(DMV)という鉄道線路と道路にまたがって通行可能な小型車両により、自由に通勤・通学・観光などができきるような規制緩和を求めている。
「ふるさと銀河線DMV(デュアル・モード・ビークル)特区構想」と名付け100億円の基金を集めて運行しようという考えで、自治体の論議がバス転換に向かうなか、新たなアイデアで巻き返しを図ろうとしている。
銀河線の赤字を補う基金については、まず沿線市町がすでに持つ基金を集め、現在の経営安定基金を100億円に拡充。これを各地の自治体に貸し付けて年間利息の約1億円を赤字補填にあてる。100億円を金融預金などに預ける利息より収入が多く、借りる自治体の側からすれば金融機関の利率よりも低いのがポイントで、特区でこのやり方を認めてもらう考えである。
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さて、「ふるさと銀河線」はどうなるのでしょうか?
全国37社ある第3セクター鉄道の中では、数字を見る限りワーストといっていい概況である。
これまでもいくつかの存続案が出され、その中で起死回生、いちばん説得力があるのが、北見・網走方面への特急を銀河線に経由させ時間短縮をはかろうという案であった。現在、札幌-網走間を結ぶ特急「オホーツク」は北見までの所用時間が約4時間半かかり、競合する高速バスとほとんど変わらない状況である。
他の線区が高速改良による振子特急の登場で、大幅に所用時間が短縮されたのに対し、石北本線はJR高速化の構想から外れており、時間短縮のメドはない。沿線は急カーブ、急勾配が多く、石北峠・常紋峠のふたつの難所があるため、工事には莫大な費用がかかり、オホーツク方面は取り残された状況である。
そこで出たのが札幌方面からの列車を「ふるさと銀河線」経由で結び、時間短縮をはかろうというアイデア。かりに振子特急を導入すれば、札幌・北見間は約4時間で到達できる。
しかし、そのためにはレール強化や路盤改良でかなり費用がかかることになる。
その費用はいったいどこが負担するのであろうか。さらに銀河線への特急乗り入れは、石北本線が現況以上の赤字ローカル線化が進み、北見(遠軽)-旭川(上川)間の廃止問題も浮上するであろう。
もし、特急が銀河線経由で走行しても30分程度の短縮であれば、劇的な変化とはいえず「スーパーおおぞら」のようにバスや航空機から利用者を奪還するまでには至らないかもしれない。
そして今回のDNVによる存続案。DMVそのものは、すでに試験段階に入っており、今年の8月にはJR北海道が札沼線で走行実験を行なっている。
(走行実験は銀河線を目的としたものではない)
北海道のローカル線問題は鉄道が隆盛を極めた1950年代から存在していた。
当時の国鉄は閑散区間用にレールバスを開発したが、おもに北海道を目的に製作をしたものである。しかし運用に無理があり普及せず、DMVと同じような発想の道路走行ができるアンフィビアバスを試作したが実現には至らなかった。
ふるさと銀河線は、明治末期に網走本線とした開通、石北本線が開通する以前は北見・網走方面とを結ぶ「幹線」であった歴史がある。
JR特急の誘致からDNVによる生き残り、廃止も含め選択肢は絞られたきた。ふるさと銀河線の問題は、来年早々から目が離せそうもない。
政府が認定の可否を決めるのは来年2月上旬ごろとみられるという。

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