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スペイン文化を活用した街づくり-函館

バル(bar)をご存知であろうか?
スペインやポルトガルなどにある居酒屋兼軽食屋のことで朝早くから夜遅くまで営業している店のことである。スペインではどんな小さな田舎町にも必ずといっていいほどバル(街)があり、地域のコミュニティ・スペースになっている。そんなバル街が函館にある。-といっても3月9日の一晩限り、西部地区がバル街に変わるイベントが行なわれるのである。
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函館市の旧市街地(西部地区)をスペインの飲食店街に見立てて、飲み歩きを楽しむ催し「バル街」の第3回が3月9日に行われる。市電の車内をバーに仕立てた「バル街電車」が登場するほか、老舗レストラン「五島軒」が新たに参加するなど、前回(36軒)を上回る42軒が参加の予定。
実行委員長の深谷宏治さんは「この機会に今まで入ったことのない店に足を運んでみては」と呼び掛けている。バル街は、昨年2月に「2004スペイン料理フォーラムin hakodate」のイベントの一つとして初めて実施。次の開催を望む声が多く寄せられ、実現した第2回には、目標の600人以上を上回る850人以上が足を運んだ。同実行委では、今後年2回の開催を恒例化する考えだ。今回、目玉となるバル街電車には、冷蔵庫やテーブルなどを備えた車両内でバーテンダーがサービスする。午後7時20分から10時まで、電停の谷地頭―函館どつく間を8往復する予定。飲食にはチケットが必要だが、飲み歩きの移動手段に利用する場合はバル街マップの提示で乗車無料となる。
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実行委員長の深谷氏は市内でスペイン料理店「バスク」を経営するオーナーシェフだ。スペイン料理のグルメが集中するバスク地方のサンセバスチャンの三ツ星レストランで修行、故郷の函館へ戻り、北海道はもとより当時、まだ日本で少なかったスペイン料理店をオープンさせた。サンセバスチャンはバスク地方有数の港町であるが、地形や町のつくりなどが函館に似ており、イカやタラが名物といった共通点も多い。現在、深谷氏は国内を代表するスペイン料理人であり、本格派のスペイン料理を求め、地元だけではなく、全国からファンが「バスク」へ来るほと知られた店になっている。
深谷氏は函館の街づくりの一環としてバルイベントを考案した。当初は気乗り薄であった地元も、飲み歩きで夜の旧市街を散策し、函館の魅力を再認識してもらうという狙いを理解し、会を重ねるごとに参加店が増えている。参加店はそれぞれ店自慢のつまみ(ピンチョス)を一品出す仕組みだが、そのあたりも本場志向(?)でなかなかの凝りようである。
函館は繁華街が五稜郭、大門、西部地区などに分散、百貨店の閉鎖などが相次ぎ、中心部のドーナツ化がいわれる中、飲食店も苦戦を強いられている。
街づくりに関しては結束力が弱いといわれる函館であるが、「バル街」は官主導ではない草の根的イベントであり、今後、西部地区以外にも広がりをみせるのか楽しみである。これまでも「飲み歩きツアー」は道内各地で実施されているが、自慢のつまみ(ピンチョス)を出す趣向や今回実施される市電のバル化など他にはないユニークな試みである。なお、チケットは3000円で販売しており、インターネットのバル街公式サイトからも予約できる。  www.bar-gai.com

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