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【この冬のニセコはどうであったか】

ウインタースポーツのシーズンも間もなく終わりを迎えようとしています。今冬は全国的に豊富な積雪に恵まれましたが、客足は回復しているのでしょうか。
このところ話題を独り占めしているニセコとオーストラリアですが、どうなっているのか気になるところです。
昨年の本メルマガでオーストラリア資本による不動産や観光開発をめぐる動きをお伝えしましたが、その後も動きが活発化しています。スキーシーズンにあわせオーストラリア資本が95%入った「日本ハーモニー・リゾート」が東急系の「ニセコひらふ花園スキー場」を買収したことはお伝えしましたが、同社のロジャー・ドナザン会長の妻はカンタス航空の会長であり、11月にはカンタス航空が千歳線直行便を再開させました。今冬は多くのオーストラリア人が直接、新千歳空港から貸切バスでニセコ入りをしました。
また、不動産投資が活発になっています。今年1月1日時点で累計34件あり、約1万6000平方メートルの土地をオーストラリア人が取得しました。別荘として利用するほか、投資目的で購入する動きがあります。特に豪州資本が集中している「ひらふ地区」では、長引く不況で道内の地価の下落傾向が続く中、地価がじりじりと上昇しています。同地区への豪州資本による投資が好景気を呼び込んだ形で、従来価格の2,3倍で取引されているというのでバブル期なみの現象です。
先日、ニセコへ行きましたが、聞くところによるとオーストラリア人客はニセコエリアの中でも限られた場所に集まっているようです。3月中旬であったのでほとんどが帰国していましたが、豪州資本が集中する「ひらふ地区」が中心です。ニセコにはグラン・ヒラフ(倶知安町)東山(ニセコ町)、アンヌプリ(ニセコ町)などが規模の大きいゲレンデとして知られていますが、東山やアンヌプリへ行くスキーヤーは少なく、飲食や日常品の購入もひらふ地区で済ませ、倶知安町に集中してお金が落ちているようです。
(ニセコ町や蘭越町には恩恵が少ないです)
豪州資本による投資や開発について地元では冷静に見ていました。地元では地域経済活性化への期待の一方で、乱開発や局地的な地価上昇を懸念する声も出ています。
特にバブルで痛い目にあっているニセコでは、現状を”OGバブル”として捉え、金融機関も豪州資本への融資には慎重のようです。
今後、豪州資本は、カナダ・ウィスラーなどへ行くオーストラリア人スキー客50万人のニセコへの誘客、また、集客をニュージーランドやシンガポールまで拡大し、夏季は香港や台湾なども視野に入れたリゾート計画を考えているようです。
ニセコには「湯の里」など別荘地として開発されながら、親会社の倒産などで維持・管理が難しい別荘地がいくつかあります。今後、オーストラリア人向けの別荘がたくさん作られそうですが、「過去」と同じ過ちだけは繰り返してほしくはありません。
現状では多くの日本人がこの現象を冷静に、注意深く捉えていると思います。ビジネスモデルとしては大変、魅力的であるのでバブルで終わらないことを祈ります。
ニセコに関するレポートは、定期的に追ってゆきたいと思います。

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