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宿泊特化型ホテル競争の行方

本メルマガ第7号から3回にわたり「転換期を迎えるホテルという仕組み」を連載しました。
宿泊特化型ホテルの台頭により元からある地域のホテルが窮地に追い込まれていることを中心に書きましたが、宿泊特化型ホテル間の競争も激しく、チェーンホテルも近々に淘汰されるであろうと予測をしました。早速それが現実となったニュースが入ってきました。
ホテル1-2-3チェーンという名前を聞いたことがあるでしょうか。旧拓銀小樽支店を利用したホテルなどを運営するホテルシステム研究所(福岡)が民事再生法の適用を申請しました。東京商工リサーチによると負債総額は約15億円です。 ホテルシステム研究所は1997年の設立で「ホテル1-2-3」の名称でホテル運営事業を受託しており、道内には小樽のほか釧路(旧:ホテルノースシティ)にホテルがあります。
料金体系が大変ユニークで3人まで宿泊できる部屋を基本に設定しています。1室を1人で利用する料金を基本料金とし、1人増えるごとに料金を千円ずつ上積みする独特のシステムを取っていました。
また、駅前ホテルとリゾートの中間を狙った「1-2-3F&B」や温泉旅館を運営するなど他の宿泊特化型ホテルとは一線を画していました。ビジネス、カップル家族まで固定化しない幅広い客層をターゲットにしたようですが、印象ではターゲットが拡散してしまい、設備も施設ごとにバラつきがあり統一感に欠けていたようです。(余談ですが小樽の1-2-3の建物は、以前がサンプトベルグ美術館、その前が高級志向のクラシックホテルであった小樽ホテルです。どうも旧拓銀小樽支店は長続きしないようです。)
宿泊特化型ホテル間の競争が増す中、道内への進出が急速に進んでいます。たとえば、宿泊需要が大きい釧路には3社が進出を打出しています。ドーミーイン、スーパーホテルの進出に加え、ホテルルートインも釧路への進出を予定しており、そのうち2社は温泉設備があります。
以前はシティホテル派であった人でも利便性が高く、既存のビジネスホテル設備よりも豪華で、料金の安い宿泊特化型ホテルに切り替えるケースが増えているようです。ホテル間では、いかに高立地にローコストで集客をはかれるか差別化を図り顧客を囲い込むのかが課題になっています。
前例の釧路などは客室設備や通信対応など地場のホテルがかなり見劣りする印象があります。
競争の原理といってしまえばそれまでですが、既存のホテルは地域単位で施策を打出さないと淘汰されてしまうでしょう。

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