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北海道は観光二次交通の整備と拡充を

最近、全国的に観光二次交通が注目を集めています。
「観光二次交通」とは、駅、空港などのターミナルから観光地を結ぶ交通機関のことでマイカーやレンタカー、貸切バス、タクシーなどは含まれません。
観光客にとって魅力的な地域づくりを進めるためには、駅から先、空港から先、港から先の交通(二次交通)を便利にしていくことが重要な課題となっていますが、実際は路線バスの縮小などで観光旅行がしにくくなっているのが現状といってよいでしょう。
特に北海道の場合、鉄道ローカル線の多くが廃止となり、路線バスも大幅に規模が縮小され、目的の観光地に行きたくても行けないケースが多々あります。
道外からの北海道旅行の場合、フリーツアー型パック旅行(行きの航空機と帰りの航空機やJRがセットされ、ホテルや旅館などは最低1泊からチョイスできる個人旅行型ツアー)の需要が大きく、飛行機・列車を利用して目的地へ来る少人数個人グループ向けには、観光二次交通網の充実が課題となっています。 
交通の便が悪い道東では自動車があれば2日から3日でまわれる所が公共交通を利用すると1週間以上かかってしまい、交通費もかなりの額に達します。たとえば釧路から知床へ行く場合、羅臼までの阿寒バスの運賃が4740円、さらに羅臼からウトロまでが1310円かかるのでバス運賃だけで6000円を越えてしまいます。これでは一人でレンタカーを借りた方がお得になってしまいます。
ところで、この5月から新しい形の観光周遊型路線バス「知床ウトロ号・阿寒号」が登場しました。阿寒バス網走バスが共同運行する形で阿寒湖からウトロまでおもな観光地を周遊しながら走るものです。これまでの定期観光バスと違う点は共同運行なので自社のシマだけではなく、共同運行会社のシマへ乗り入れることができる点です。
たとえば阿寒バスエリアは阿寒湖、摩周湖、川湯温泉などが中心でしたがあらたに網走バスのエリアである知床半島へ足を延ばせるようになりました。観光周遊ルートが広がり、定期観光バスと違い途中下車もできるので使い勝手がいいものになっています。
また、路線バスですがガイドさんも添乗しているので観光気分を味わうことができます。
こういった「枠」を超えた試みはどんどん登場してもらいたいものです。
バスを使った縦断的な試みとしては冬季の道東観光の目玉である流氷やアウトドア体験、SL乗車などを効率的に結ぼうと東北海道観光事業開発協議会が「ホワイトエクスプレスバス」を数年前から何コースか運行し好評を博しています。
また、後志支庁では北海道中央バスと組み、札幌方面から積丹半島やニセコをフリーに乗り降りできるパスを昨年、発売しました。
こういった企画は地元自治体や旅館ホテル業者、JRやバスタクシー会社などの手腕にかかっており、今後、規制緩和の趣旨を生かした許認可の弾力的運用等を通じて、便利で利用者の立場になった二次交通の整備を推進していくべきでしょう。
北海道の場合、全国各地でみられる観光乗り合いタクシーやターミナルと温泉地を結ぶ共同送迎などの事例は、まだあまりないようなので今後、北海道ならではのサービスに期待をしたいところです。
もっとも観光二次交通の需要があるのは北海道のはずです。
最近の旅行傾向として物見遊山的なお決まりの観光コースよりも自然体験や登山、温泉巡りなどの旅の個性化が進んでいます。たとえば5月から夏にかけて利尻・礼文での宿の確保は困難といわれていますが、旅行者はシニア層が中心です。(以前は若者がユースホステルを目指して行ったものですが)来年以降、いよいよ団塊層がリタイヤし、行動力があり、遊びに長けた彼らを満足させるメニューの提供が迫られます。
今後、ますます個性的な旅が求められそうですが、そのためには観光二次交通の充実が不可欠ではないでしょうか。
温泉地のホテル間や行政、公共交通機関同士などクリアすべき問題はあるかと思いますが、是非ハードルを乗り越えてもらいたいものです。

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