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-ジリ貧傾向の遊覧・観光船に打開策はないか-

-ジリ貧傾向の遊覧・観光船に打開策はないか-
阿寒湖洞爺湖など道内観光の定番といわれる湖の観光船の利用者が03年度までの10年間で4割も減少していることが、国交省北海道運輸局のまとめでわかりました。
現在、道内の遊覧船・観光船は、道内時刻表(交通出版社)に掲載されているものだけで湖沼関係が大沼、支笏湖、洞爺湖、然別湖、屈斜路湖、阿寒湖に、沿岸・港内関係では、函館港、積丹美国、小樽港、尾岱沼、知床ウトロに、また、流氷船は紋別と網走にあります。この他、小規模の遊覧船やホエールウオッチング船、グラスボートなどがあり、全体的には事業者数が増える傾向にあります。
同運輸局がまとめた過去10年間の旅客船の実績推移によると、湖の観光船は、94年度は90万人でしたが、00年度は洞爺湖そばにある有珠山の噴火もあり、前年度比約20万人減の50万人に落ち込みました。さらに噴火が収まった01年度以降も60万人を超すことが出来なくなっています。
その一方で流氷船の人気は高く、94年度は10万人以下でしたが、03年度には20万人に増えています。
また、今回の調査では道内フェリー(本州連絡便を除く利尻・礼文、天売・焼尻、奥尻便)の旅客数も調査していますが、離島船は全体的に伸びており、離島船は94年度90万人から03年度には120万人に増えています。
この数字から判断できることは観光客の目的が受動的な観光から能動的なスタイルの観光にシフトをしていることが伺えます。
流氷観光船の歴史は稚内(東日本海フェリー)が最初ですが、脚光を浴びたのは紋別のガリンコ号登場からでその後、網走で知床観光船を冬季、流氷観光に活用したオーロラ号が登場するようになります。
また、最近の離島人気は利尻富士の登山や礼文の花めぐり、天売のバードウオッチングなどの自然体験型旅行の増加にあり、背後にはトレッキングブームやシニア層の需要が考えられます。ちょうど今から30年以上前、”ディスカバージャパン”ブームの頃、島を目指した人たちが戻ってきたようです。
全体的な傾向としては体験型観光に変化していることがわかります。
湖の観光船人気の低下は、有珠山の爆発といった自然災害によるアクシデントだけではなく、観光形態の変化と船舶事業者の待っていれば客が来るといった旧態依然とした意識にも問題がありそうです。
観光船はこれまで団体ツアーや定期観光バスのコースに組み込まれていましたが、今は遊覧船離れが進んでいます。洞爺湖や阿寒湖など有名観光地は既に訪問済みのケースが多く、最近はわざわざ遊覧船オプションを外すケースがあります。個人旅行ならなおさらのことでしょう。
また、遊覧船自体に特徴がなく、画一的な外観やガイドテープの垂れ流しなど面白みがなく、観光努力をかんじさせないものになっています。
北海道の観光・遊覧船は稼動時期が限られというハンディがありますが、このままではジリ貧が予想されます。打開策はないのでしょうか。
改革にはハードとソフト面がありますが、まず乗ってみたくなるような魅力的な船づくりが必要です。たとえば琵琶湖を航行する外輪船ミシガンのような見ていて楽しい船や、ガリンコ号のようにどこにもない貴重な体験ができる船づくりなど船そのものに付加価値を付けることが大事でしょう。
また、船内のサービスも重要です。案内テープを流すだけの観光船が多いですが、せめて肉声で説明し、簡単なイベントを開くなどのサービスも必要です。
北海道は食が売り物なので船内で簡単な名物料理を提供するような企画も必要かもしれません。そのあたりの知恵は、全国各地にある観光船、クルーズ船や納涼船などにヒントがあるはずです。
今、人気がある流氷船も最近は頭打ち傾向にあります。観光船・遊覧船の場合、リピータ確保が難しい問題です。
リピータ化するには、自然をより身近に接することができる体験型観光や地域の食を絡ませたものが現状できうる打開策であると考えています。
そのためにも今一度、利用者に提供できるリソースを事業者側が洗い出し利用者の志向を検証する必要があるでしょう。

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