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■食のエンタメ化について思う

先日、池袋・サンシャインにあるナムコが運営するナンジャタウンへ行ってきました。目的は道産プリンが数多く出店している「プリン博覧会」の見学に行ったのですが、館内はアイスクリーム、シュークリームから餃子までフードテーマパークとしての演出は見事でした。家族連れから若いカップルまで狭いスペースにも関わらず食の空間を楽しんでいるようでフードテーマパーク恐るべしと感じました。
ちなみに牛乳瓶に入った「ふらの牛乳プリン」が売れ筋NO.1で富良野ブランドは健在です。
北海道では札幌駅前エスタにある「札幌らーめん共和国」と函館の湯の川観光ホテル内にある「函館らーめんブギ」がオープン以来好調と聞いています。どちらもナムコが運営する施設ですが、そのノウハウはさすがです。
食をレジャー感覚で楽しむものとしては札幌ラーメン横丁などもその部類であり、誕生の経緯がフードテーマパークと違うにせよ道内では”元祖”かもしれません。また、小樽のすし屋通りなどもバブル時代のグルメブームの波に乗り、食と観光がマッチしたものとして小樽ブームと同時に脚光を浴びました。
広島のお好み村など地域の名物を一ヶ所に集めるスタイルはグルメブームが起きた1980年代後半頃から定番化してしましたが、食のテーマパークとして誕生したのは1994年に登場した新横浜ラーメン博物館あたりからではないでしょうか。
ここに至るまではバブル崩壊後の1990年代前半、遊休地の活用のため全国に屋台村が産声を上げ、複数業態の食スペースが誕生、それが発展した形で今のフードテーマパークへ繋がっていると考えます。多くが民間のデベロッパーが主導したバブル崩壊後のあだ花的なビジネスでした。
現在、北海道では屋台村がブームになっています。屋台村が死語になりかけた頃に登場した帯広の「北の屋台」が地域活性策のビジネスモデルとなり、小樽など各地に屋台村が誕生しています。また、10月には函館駅前に昭和レトロ風な大規模屋台村(ひかりの屋台)も予定されています。
今後、道内でも食をテーマにしたテーマパークや屋台村などの施設は観光誘客手段として増えることが予想されます。ラーメンの他にもジンギスカン、スープカレー、回転寿司などネタが揃っています。最近、ジンギスカンやスープカレーが全国区になっていますが、どちらかいうと話題先行型であり、メディア・ミックスによる”仕掛け”の匂いもかんじます。
地域名物を道産名物にするためには戦略的な仕掛けも必要であり、メディアの力を借りPRや口コミなどの戦略的な手法を用いないとなかなか表舞台に出にくいという環境もあります。そのために食をエンタメ化路線に乗せる、乗っかることは手っ取り早い方法といえます。
しかし、食のエンタメ化や安易な劇場化には危惧もかんじます。お決まりの昭和レトロや二番煎じなどは飽きられてしまいます。食は一過性のものではなく、ブームに流されず継続してホンモノといえるはずです。
平成に入った頃、博多屋台が発祥であるモツ煮こみが流行りましたが、廃れ方の早さには驚いたものです。
ナムコのような民間商業施設であれば手を代え、品を代え臨機応変に対応できるでしょうが、公共色が強い環境であれば育成せねばならずもっと地道な継続性を要求されるはずです。
昨今、地産地消や食のブランド化がいわれています。地域の特産をプロモートするために付加価値をつけた見せ方や一同に介する場を作ることには賛成ですが、実態が伴わない特産品や名物づくりが最近目だっているような気がします。
食が主人公である真っ向勝負の飽きられないものを提供してほしい願います。

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