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紋別に見るオホーツク観光の課題

これまで本メルマガならびにHPで記事になる機会が少なかったのがオホーツク地域だ。勿論、個人的に強い地域と弱い地域、興味があるなしも関係しているが、観光面から考えるとインパクトが少々弱い地域といえる。今回は紋別などを中心にしたオホーツク地区の観光について話をしたい。
オホーツク新聞によると紋別市産業部商工労働観光課観光振興係がこのほどまとめた05年度(05年4月~06年3月)市内観光客入り込み数は、53万5991人で前年比17・4%の減少となっている。
オホーツクDOいなか博の翌年という事もあるが、昨年度は、花観光の日照不足や冬季流氷観光が不振を極めたほか同課では、「知床の観光客増や旭山動物園も例年の倍の入り込みとなった事も影響している」と分析している。
紋別観光の中心は流氷とガリンコ号である。今冬は流氷が少なく、ガリンコ号2も実働1ヶ月程度であったため乗船者が4万2491人(前年比79・6%)に落ち込んだ。
しかし、観光客数の減少は天候不順のせいだけではないようだ。紋別市の観光入込数は2000年度の68万9682人をピークに年々減少傾向で推移している。
最近ではアジア系観光客とツアーに依存をしていたが、流氷観光がそろそろ一巡し、飽きられてきていることも関係していると思われる。
市内へ宿泊した人数も3万4447人と全体の6.4%程度に留まっており、年々減少傾向にある。近場にこれといった宿泊施設がない割には紋別市の宿泊率は低い。これでは地域にお金が落ちにくい典型的な通過型観光地である。
最近の流氷ツアーの傾向は、女満別空港に入るか札幌・旭川方面から層雲峡などで前泊し、貸切バスで紋別へ入りガリンコ号に乗船、市内に宿泊をせずにウトロ・阿寒などに向かってしまう。
また、観光ルートに乗りやすく、大量乗船が出来る網走流氷観光に客足をもっていかれがちである。
紋別観光の課題は冬季観光以外に大きな目玉が無く、市内や周辺にこれといった目ぼしい観光地がないところにある。最近は周辺の地域と併せて花観光(滝上の芝桜や上湧別のチューリップなど)にも力を入れているが、如何せんインパクトが弱く、通過型観光から脱却するまでには至っていない。
最近は紋別に限らず網走あたりまでもが通過型になってしまっており、以前は団体客が多かった網走(湖)温泉も知床や阿寒に客足を取られ、宿がいくつか売りに出されている状態である。
知床の世界遺産登録にも関わらずプラスに転じていない。
紋別市がある北部網走地方は滞在に耐えられるような魅力的な宿泊施設が少なく、北海道観光の目玉である温泉資源に恵まれていない。観光(体験)施設が少なく、地域全体の印象も薄くなっており、お金を落ちる場所が少ないので旅行業者にとっても魅力が少ないであろう。
また、個人旅行ではアクセスが悪いため、車以外の公共交通機関では周りにくいのものにしている。
昨年は「オホーツクDOいなか博」を開催したが、道外の観光客がどれだけこのイベントを知っていたであろうか。このままでは知床の影に隠れて、紋別を中心とした北部網走地方は、ますます陽の目を見ることがなくなるであろう。
地元では観光客数アップのため、「滞在型観光の充実を・・・」とどこでも御馴染みのセリフを吐いているが、その前にやるべきことがありそうな気がする。
能取湖、サロマ湖などは知床や釧路湿原の影に隠れて、最近あまり名前が出てこなくなった。しかし、観光地・景勝地としての魅力は十分にあるはずである。
そこで観光資源の再評価や洗い出し、宗谷、釧路、上川など隣接地域との連携など新しい発想での呼び込み策が必要である。
紋別地域の観光の欠点は、長年パターンが変わらないところにあると思う。
冬季以外の集客、個人客の誘客が急がれる。特にお決まりの知床観光だけでは飽き足りないような個人旅行者、自然愛好者、シニア層などを引き寄せられないものか。
何もないところであるが、北海道らしい魅力は揃っている。著者はサロマやコムケ湖など写真を撮りに数回行っているが、地味ながらも安らげるところである。
しかし、湧別や佐呂間で宿が無く、苦労をした思い出がある。仕方なく上湧別の旅館に泊まったが、サービスの悪さには閉口した。
また、体験型観光では紋別が発祥である雪上ゴルフのゴルディックや常呂のカーリングなどを活用した手法もある。
アクセスは悪いが、一往復ながらも東京からの直行便がある紋別空港があり、首都圏からは集客はしやすいはずだ。
宿が少ないことについて前述したが、やはりこのエリアには魅力的な宿(食にこだわったものなど)がほしい。それがあるだけでも違う。サロマ湖の鶴雅リゾート(旧東急リゾート)やルートイングランティア
(旧サロマ湖緑館)などが観光向きの施設だが、それほど知らておらず個人経営のような宿は少ない。
紋別観光(北部網走地方)が抱えている問題は特異なことではなく、季節・天候と団体客へ依存し、通過型である典型的な北海道観光の問題ともいえる。
早期の解決を期待する。

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