*

客室の高級化と追いつかない人材育成

exe-single01.jpg
最近増えるエグゼクティブルーム(写真は京王プラザホテル札幌)
楽天トラベルなどネット宿泊予約サイトを見ていると一年前の同時期と比較し、相対的に料金が上昇しているようにみえる。
景気の回復(本当?)やダンピング合戦に嫌気がさしたなどの理由もあるであろうが、シティホテルでいえばエグゼクティブ・ルームなどの高付加価値の客室やフロアを増やしているのも背景にある。高級客室が増えれば、一般客室も大幅な値下げをせずに全体的な底上げができという狙いもあるであろう。
札幌では市内を代表するグランドホテルパークホテルを運営する三井観光開発が、経営母体が変ったこともあり、大幅なリニューアルを行なっている。
早い時期から客室のグレードアップに取組んでいる京王プラザホテルや女性客をターゲットに、あまり値崩れを起こさないモントレー・エーデルホフなどは独自の戦略で健闘している。
また、アパホテル、ルートイン、スーパーホテルなどの低価格宿泊特化型ホテルの攻勢は続いており、最近は地方都市が舞台になっている。さらにビラフォンテーヌ(北海道にはない)、ロイネット、最近はワシントンやサンルートなどの老舗も高級ビジネスホテル戦略を打ち出しており、シティホテルはビジネスホテルとの「差」を明確に打ち出せず、中途半端では挟み撃ちのような状況に追い込まれてしまう。
ビジネス利用の場合、私個人の感想で言えば、洗浄機付きトイレとネット接続が必須であり、タバコの臭いがしない部屋(禁煙室)、そこそこ広いベット(セミダブル)とそこそこ広いユニットバス、目覚めた時に喉が痛くならない空調設備、適正価格の朝食があれば充分合格である。そういった面では全体的にレベルが上がり、業界が底上げされていると思う。
ところが、使い勝手がよくなっているなかで、スタッフのサービスはというと相変わらずマニュアル、機械的な応対が続いており、これはビジネスホテルだけではなくシティホテルでも見うけられ、むしろ以前より悪くなっているような気がする。
「失われた10年」というが、バブル崩壊以降、余裕のなくなったホテル業界のようなサービス業のホスピタリティ対応を見ているとそれを強くかんじる。(ホテル間によってかなりの差がさるが)
やはり、この失った十年は大きいと思う。
誇りが持てる職場、社員を大事にする職場でないと、そのシワ寄せが利用者にもまわってくる。単にコスト削減と合理性の追求に走り、安価でこきつかう使い捨てのような職場は長くもたないであろう。
ホテル業界に限らず旅行会社なども多くが、契約社員やアルバイトのため質の低下が叫ばれており、社会全体で見直す時期に来ていると思う。
客室をグレードアップして値上げすることに関して異はないが、単に客室の改造など表向きだけではすぐに飽きられてしまうであろう。職場環境のグレードアップも重要である。そこに働くひとたちの心が豊か
でなければ、心のこもった「おもてなし」などできるはずがないはずだ。

 - すべての記事一覧, ミシュラン(ホテル&宿)