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道内バス事業者に関するM&Aの話題を二つ

貸し切りバス大手の大阪バス(大阪府東大阪市)は、同業の道内中堅、三洋観光バス(札幌)を買収して完全子会社化し、社名を「札幌バス」に変更した。大阪バスは近年、道内の同業者を相次ぎ傘下に収めており、今後も買収を積極化して道内シェアを拡大する構え。(7/14付 道新)

 道内バス事業者のM&Aに関する話題を二つ。

大阪バスは全国で観光貸切バス会社を買収し、ネットワーク化を進めている。北海道では「北海観光バス」や「東日本バス」を傘下に収め、「北海道バス」と改称、貸切だけには留まらず、この3月からは札幌-函館間の都市間高速バス「函館ニュースター号」事業にも参入している(このニュースに関する過去ブログはこちら)。

今回、中堅の三洋観光バスを買収し、「札幌バス」に社名を変更。これで「北海道バス」と「札幌バス」の二つのブランドが誕生した。

観光貸切バス事業は規制緩和による事業者の増加、長引く景気低迷による需要の減少と値引き合戦、さらに3月の震災による観光客の激減で危機的な状況にある。大阪バスグループは、「買い時」と踏んだのか、いっきに攻勢を掛けているが、はたして事業として今後どうなるかは読めない点も多い。

しかし、大阪バスは東大阪(布施駅)-京都駅間で札幌・函館線が開業した同日に高速バス路線を開業させている。関西では珍しい近距離の、云わば隙間的な路線である。全国へのネットワーク化も含め、ツアーバスの雄・ウィラートラベルとはまた違った独自の展開を図っている。

 

北海道北見バス(北見)の佐竹利幸社長ら経営陣が、同社の全株式をファンド運営会社「ジェイ・ウィル・パートナーズ」(JWP、東京)から買い取ったことが15日分かった。2009年10月、当時の親会社だった東京急行電鉄(東京)が北海道北見バスをはじめ、網走交通バス(現網走観光交通、オホーツク管内大空町)、斜里バス(同管内斜里町)、宗谷バス(稚内)の東急グループ4社の株式をJWPに売却していた。網走交通バスなど3社も昨年、全株式を経営陣が買い戻しており、4社はいずれも地元資本となった。(7/16付 道新)

「ジェイ・ウィル・パートナーズ」(以下JWP)は国内の投資ファンド会社である。「北海道北見バス」以外でも東急バスグループに属していた宗谷バス、斜里バス、網走交通バス、道外では上電バス、草軽交通がJWPに譲渡された。(このニュースに関する過去ブログはこちら)。

JWPは名古屋帝産バスや札幌観光バスなど観光貸切バスの事業継承を行ったことはあるが、路線バス事業者は初めてのケースであった。しかし、2年も経過しないうちに4社とも株を買い戻し、地元資本とした。

詳しい背景はわからないが、4社の経営に参入したJWPの意図がいまひとつわからず、東急グループからの依頼で仕方なしでやっていたのではないかなど穿った見方もできる。その間、リストラ策の提示などもなかったようで、「密約」があったのかどうかもわからないが、東急側の思惑にバス会社も翻弄されたのではないか(買戻し値を知りたいが)。

現在、東急グループのバス会社では道内では「じょうてつバス」だけだが、東急に限らず、名鉄、西武などの大手が遠く離れた場所で、地元バス会社をグループ化するような時代は終わったと思う。

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