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じゃらんのFACE BOOK問題 リクルート社は宿との共存共栄を自覚すべし

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長)は17日、東京の全国旅館会館で「じゃらんnet」を運営するリクルートと「フェイスブック問題」の協議会を開いた。問題解決に向け、全旅連がリクルートに要望していた、じゃらんnetの宿泊予約システム利用約款の改訂について、リクルートがほぼ全面的に受け入れ、約款に新たな条項を加えることで合意した。(11/26付 観光経済新聞

昨日は道内限定宿泊予約サイトについての記事を書いたが、今日は巨大サイトの話を。

「じゃらん」の「フェースブック問題」とは、7月にリクルート側が宿泊施設の承諾を得ずに、契約をしているすべての宿のフェースブックをつくり、勝手に公開したことで、トラブルとなった一件だ(これに関する拙ブログ記事はこちら)。

だいぶ時間が経過し、忘れかけていたが、じゃらんは手数料の値上げやホットペッパーのポイント問題などで宿泊施設側との関係がおかしくなっていた矢先にフェースブック問題を起こしてしまった。

この問題、いかにもリクルートらしいといえる。じゃらんはネット上での旅行市場に参入して10年強とまだ日が浅い。勿論、雑誌「じゃらん」を含めれば、30年近くになるが、あちらは広告媒体であり、自らが旅行会社となったのは「じゃらんネット」が初めてである。競合の楽天トラベルの場合、M&Aをした「旅の窓口」をそのまま踏襲・拡大をして現在に至っている。

JTBや日本旅行のような古くからある店舗を主体にした旅行会社は宿との結びつきが強い。持ちつ持たれつの関係と言えるが、リクルートの場合、旅行会社はクライアントであったが、宿はクライアントではなかった(広告主の場合はあるが)。それが、じゃらんネットにより、多数の宿を自ら管理するようになり、立場が変わった。当初は試行錯誤を繰り替えしていたが、持ち前の営業力で遅れを取り戻り、ネットエージェントとしては二強の地位を占めた。

 

それぞれの宿との結びつきを重視するリアル型の旅行会社では、ひとまとめで、フェースブックを公開するなどという考えは想像も付かなかったであろう。

リクルートという会社は好きか、嫌いかに分かれるのではないか?

自由で開拓精神があり、バイタリティ旺盛なその社風を評価する向きもいれば、客を客と思わず、すべてを自分のところに吸い上げてしまう えげつなさを嫌う向きも多い。

リクルート事件の直後、同社はダイエーの傘下となった。オーナーであった中内功氏はリクルートの社風を大変気に入ったという。氏がオフィスを訪問すると若い社員から「中内さん」とさん付けされたことが初めてあり、嬉しく、暇を見つけては、各部署を歩き、社員との交流を楽しんだらしい。また、若手社員がプロジェクトを任され、その実行力と速さにも驚き、刺激を受けたという。

リクルートは今では当たり前となったが、上司もさん付けであり、ダイエー社内では天皇のような存在であった中内氏にとって、あり得ない自由な気風が新鮮に映ったようだ。氏はダイエー社内にもリクルートと同様な社内システムを持ち込んだというが、やはり水と油ではなかったであろうか。

上下の隔てがなく、気軽にお偉いさんにも接し、すぐアイデアを行動に移すリクルートという社風。これが今回のフェースブック問題にもよく表れていると思う。イケイケでやってしまう同社らしいが、顧客を顧客と思わないあたりは相変わらずだ。どこからか上から目線で仕事をしているのではないであろうか。

旅行会社と宿泊施設の関係は共存共栄のはずである。ネット系旅行会社の場合、担当者が多数の宿を受け持ち、社員ではない契約スタッフも多いと聞く。これだけ市場規模が大きくなったのだから自分のところだけではなく、業界のことも考える自覚を持ってもらいたいというのが管理人の感想である。

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