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湯の川の温泉ホテルが婚礼へシフト、「ブライダル・ツーリズム」という新たな市場

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4月にリニューアルオープンした「イマジンホテル&リゾート函館」(函館市湯川町3)のオープニングレセプションが15日、同ホテルで開かれた。昼と夜の2部に合わせて約300人が来場。チャペルや披露宴会場など施設のお披露目が行われた。(5/16付 函館新聞/eHAKO)

イマジンホテルは旧湯の川グランドホテルのこと。2004年に青森でホテルやブライダル関連の事業を行うイマジン(株)が買い取り、リニューアル・オープンをしたが、この度、ブライダル志向のホテルとしてリブランドされた。

管理人がかつて湯の川でもっとも泊まったのがこのホテルである。旧経営の時代が殆どだが、料金が手頃であり、いつも朝食付きのビジネスプランを愛用していた。館内はお世辞にも綺麗とは云えず、垢抜けない印象であったが、複数の源泉を持ち、温泉で選ぶならグランドホテルであったので愛着があった。

経営が変わった後も旧ホテル時代の女将さんが入口で挨拶をしていたが、風呂や客室がリニューアルされ、料金も高くなったので次第に泊まらなくなった。湯の川の大箱ホテルの一角を占めているが、他所と比べ今ひとつ特徴がなく、営業力にも乏しいようでパワー不足の感があった。

 

今回のリニューアルとリブランド、実は注目をしている。というのは、ブライダルにターゲットを当てているからである。これまで湯の川の大型温泉ホテルは宿泊がメインであり、団体客中心であったが、ブライダルという個の部分にターゲットを変えている。ブライダルは利益率が高く、定着すれば安定した収益が見込める。

これまで湯の川をはじめ、登別・洞爺・定山渓・阿寒など大箱ホテルが控える温泉地でブライダルというのはあまり聞いたことがなかった。ニセコ・キロロ・ニドム・トマムなどのリゾートではブライダルを行っていたが沖縄などと較べるとかなり需要は低い。山間の温泉地では難しいかもしれないが、道内・道外共に人気があり、異国情緒がある函館であれば需要が見込めるのではないか。

JR北海道の車内誌5月号には同ホテルの記事広告が3ページに亘って出ているが、内容は母娘旅とブライダル、そして連泊である。記事からもホテルの方向性が伺える。「オーシャンビュー・ブライダル」と温泉滞在という新たな基軸である。

 

実は管理人の実家のある鎌倉市の隣り、逗子市には「リビエラリゾート」というブライダルを中心としたマリン観光施設がある。かつては「逗子マリーナ」という名称であったが、経営がセゾングループから変わったことで、これまでのマリーナ事業からブライダル中心にシフトをしたことで客層が大きく変わり、賑わいを見せている。湘南の海を見ながらの挙式は新郎新婦だけではなく、参列者にとってもリゾート気分が味わえところがミソだ。

大型温泉ホテルとマリーナには共通点があり、共にバブル時代は好調であったが、その後は法人需要の減少などにより、施設を維持できなくなっている。顧客を若者やブライダルに切り換えたことで「リビエラ」の場合は再生をしているが大型温泉ホテルでも参考になるのではないか。

大型温泉ホテルは数字が読めないインバウンドや団体客に依存をするよりも、ある程度数字が読めて、利益率が高いブライダルに力を入れることは賢明な生き残り策である。ブライダルに似合うような周辺の環境などいくつかの条件はあるが、温泉観光地のホテルでのブライダルは新たな観光スタイルではないか。施設だけの魅力でも地元婚礼の需要が見込める。

 

先日の拙ブログで品川駅前の「シナガワグース」がそれまでのホテルパシフィックから運営をブライダル会社に変えたことで、利用者が大幅に増えたことを紹介したが、ブライダル会社は独自の営業力を持っている。

JTBなどは以前から「北海道ウエディング」を商品化していたが、前述したように利用者は少なかった。魅力ある設備と周囲の環境が整えば、「北海道ブライダル観光」といった新ツーリズムが誕生するかもしれない。

道内観光のテーマである長期滞在やインバウンドは実際の集客への課題が多いが、ブライダルに関しては成功事例も多いので、可能性がある市場である。

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