*

「北海道暮らし・フェア」 -音威子府村のブースを訪れて-

 PB110025 PB110018 PB110020

10日(土)、東京・秋葉原UDXで二地域居住や移住についての情報を提供するイベント「北海道暮らし・フェア」が開催された。今回で7回目であるが、70以上の市町村や団体などが参加し、会場も盛況であった。

このイベント、かっては団塊層の大量退職を見越して、「移住」の促進を目的にスタートしたはずだが、完全移住者は想いのほか集まらなかった。その間、中高年層を中心に夏季だけ滞在する短期滞在や2地域居住が増えるようになり、4,5年前から道も方向性を転換するようになってきた。集客ターゲットを移住からお試し移住にシフト、最近では「ちょっと暮らし」というネーミングでプロジェクトを推進している。

管理人は移住よりもちょっと暮らしに需要があることを、2005年頃からこのブログの中で何度も述べてきた。完全移住はハードルが高いが、短期滞在であればぐっとハードルが下がる。住民票はそのままなので税収は期待できないが、短期滞在者を増やした方が観光集客やファンづくりに繋がり、さらにその中から移住者が出れば儲けものである。

現在、各自治体では体験ツアーや「お試し住宅」の整備などを進めているが、まだまだ発展途上の段階である。当初、体験ツアーには全く人が集まらない、お試し住宅は作ってはみたものの古い公営住宅や、町から離れた場所に立地するなどといったアクセスの問題、さらにネット環境など課題も多かった。

しかし、最近はだいぶ改善が進み、お試し用住宅の新築や古家の大幅なリフォームなどで快適性はアップしており、豪華別荘のような施設も少なくない。住むという部分に関しては改善が進んでいる。また、体験ツアーも決まった日に一回こっきりのような強制的なものが減り、行きたい時に行ける自由型のツアーが増えている。

滞在環境は整ってきているが、過疎地だと医療や買物などの問題もある。また、地域との交流や体験プログラムの実施といったソフト面での充実も図らなければならない。

集客面では滞在時期が夏季に集中し、それ以外はガラ空き、冬季間はどうするかといった問題がある。さらに、同じ滞在者がリピートを繰り返し、ヨコに広がってゆかないといった問題も出ており、単純ではないようだ。特に人気のある自治体とそうでない自治体との差がはっきりしており、ある程度の均一化も必要かと思う。

 

フェア会場では音威子府村の担当者に声を掛けられたので話を訊いてみた。音威子府では最近、「ちょっと暮らし」を始めたばかりでまだ実績はないらしい。今回、宗谷振興局が「天塩川」という括りで別途出展していたが、なかなか難しいエリアである。下川町のような「例外」もあるが、何で訴求すべきか管理人も考えこんでしまった。咄嗟に駅そば、鉄道の村が浮かんだがそれでは偏っていて弱すぎる。

たまたまポスターに小さく、「北海道でいちばん人口が少ない村」と書かれてあった。実はこちらも不勉強で、いちばん少ないのは西興部だと思い込んでいたが、10年前に逆転されたそうで当面は「北海道一」が続くという。

そこで思い出したのが、管理人が以前、携わっていた「日本一涼しい釧路で長期滞在」プロジェクトである。釧路は夏季の平均気温がいちばん低いマチだが、それを逆手に取って、避暑用の長期滞在プロジェクトを推めたところ現在では長期滞在者の数が道内一となっている。

これには「日本一」というフレコミが大きく関与していると思うが、音威子府は「いちばん人口が少ない村」でPRをすれば集客への可能性が大きく増えるのではないかと思った。移住ではないが、音威子府の隣の美深町では1980年代、日本一赤字のローカル線であった美幸線が有名となり、観光客が増え、今でも廃線跡が観光トロッコ列車となっている。

役場の方と話しているうちに以前、音威子府を紹介したテレビ番組を思い出した。それは第二の人生を紹介するテレビ朝日系の「人生の楽園」で、番組ではクロスカントリーに憧れて音威子府に移住をした人を紹介していた。それを見て、管理人は音威子府はコンパクトで牧歌的な村という印象を持ち、雪質に憧れてクロカンスキーで移住など素敵だと思った。道内殆どの市町村を訪れているが、音威子府は宿泊経験もなく、知っているのは「駅そば」など駅周辺だけである。北海道を知っているつもりでも実際は知らないことだらけである。

人口の少なさをウリにするのは突破口に過ぎないが、小さい村ならではのコミュニティのよさがテレビ番組から伝わっていた。雪質やクロカンスキーだけでも立派な切り口になる。特に難しかった冬季の集客に繋がるであろう。

北海道にはまだまだ拾えていない素材があると思った。

 - すべての記事一覧, 地域(道北・旭川・富良野), 地域づくり&イベント, 移住・ロングステイ・シニア