*

AIR・DO、羽田-釧路線就航への期待

エア・ドゥの斎藤貞夫社長は7日、釧路市を訪れ、蝦名大也市長に来年3月下旬から釧路―羽田線を新規就航すると伝えた。羽田の国内線発着枠拡大に伴い、地元経済界からの要請に応えた。 (12/10付 朝日新聞北海道版

現在、羽田-釧路線は一日5往復、日本航空が3往復、全日空が2往復している。実は2社による5往復体勢は20年以上変わっていない。ダイヤもJALの最終便が遅発になった程度で無風の状態が長く続いていた。

管理人は頻繁に釧路へ行っていたが、いちばん頭を悩ましていたのは運賃の高さであった。安く行くには早割やパック商品を利用するしかなく、おもに新千歳や札幌を経由して釧路入りすることが多かった。

東京と釧路線を除く道東を結ぶ航空網はこの20年の間にかなり変動している。女満別線はJAS(現JAL)のみの就航であったが、のちにANAが参入、さらにANAが路線をエア・ドゥに移譲し、現在に至っている。帯広線はJAS(JAL)の一社体勢が長く続いたが、昨年エア・ドゥが参入し、便数も増えるようになった。また、1990年に就航した中標津線は、ANA(当初はエアニッポン)による一日1往復体勢が長く続いている(2便の時期もあった)。

釧路市は定住人口が減っており、これまでは観光地といったイメージの場所ではなかった。以前は霧による欠航が多かったこともあり、団体ツアー旅行は女満別を利用するケースが多かった。釧路線は後回しにされた感はあるが、エア・ドゥの参入により、一日5往復から7往復に増える。7往復は帯広線や旭川線と同じ本数であり、道東への利便性が大幅に増すことになる。運賃もエア・ドゥが道内各路線で適用している格安な「バリュー3」や普通運賃でも2、3割は安めの設定になるであろう。

羽田-釧路線の就航は道東観光にとっても追い風になりそうである。北海道観光が伸び悩む中、釧路やその周辺への入り込みが昨年あたりから好調である。その理由として管理人は北海道観光の質が変わって来たのではないかと想像している。これまでの周遊型の観光地巡りよりは無理な移動はせず、比較的狭いエリアで観光をする云わば体験型にシフトをしかけているのではないか。リピーターが多いのも道東観光の特徴でもある。

道が推進する滞在型観光までは成熟していないと思うが、釧路市ではこのブログで何度も書いているように「ちょっと暮らし」での滞在者が道内1位である。釧路市以外にも周辺には長期滞在に人気の町も多く、こちらは今後ジワジワ増えて行くであろう。

実は長期滞在者にアンケートを取って、いちばん問題になっていたのはアクセスと交通費であった。航空運賃が高いため、多くの方が管理人同様に新千歳便などを利用する。札幌などからJRやレンタカーを利用して釧路入りをするが言うまでもなく、大変な労力である。また、フェリー利用者は苫小牧や小樽から入るが、途中で1泊はしなくてはならない。かつては東京と釧路を結んでいたフェリーがあったが10年以上前に廃止となっている。

直接、釧路入りをしたくて出来ない事情があり、これまで多くの観光客を逃がしていたのではないかと思う。札幌から釧路までの距離はJRで約350キロ、これは東京-名古屋間と匹敵する。JR特急の利用であれば、1万円近くを余分に払わなければならないが、東京-釧路便を普通運賃で購入することを思えば、安い航空会社が就航している新千歳を利用した方が遥かに安く上がる。

エア・ドゥの場合、団体客よりも個人客が多く、機材も小さいので大きく観光客が増えることはないと思うが、個人旅行者が今より増すことだけは間違いないであろう。前述した通り、釧路エリアは個人旅行者が多く、旅をし易くなったことで好調な道東観光が持続し、連泊や滞在型客の増加などに期待できそうである。

★参考 エア・ドゥのプレスリリース

 - すべての記事一覧, 公共交通(航空機), 地域(釧路・根室)