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「雪山ガールのお天気予報」が大ブレーク、やっとスキー場運営の意識が変わってきた

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ゲレンデを訪れた一般女性が笑顔で天気予報のボードを掲げる-。そんな写真を、長野県白馬村のスキー場「白馬さのさか」がインターネット上で毎日公開している。「雪山ガール天気予報」と銘打った取り組みが話題となり、昨シーズンの来場者数は急増。今シーズンは新たに「雪山ボーイ」も登場した。(2/4付 東京新聞

雪山ガールのお天気予報」を見ると何と「いいね」が53万件を越えている。5万いや五千でも凄いが、53万という数字は驚異的であり、サイトもつながりにくい時があるという。

サイトを見ると女性と家族連れをターゲットにしていることがわかり、見て楽しいコンテンツとなっている。たとえばゲレンデ内の食堂は「恋する雪カフェ」と名付け、クレープやパフェなどを名物とし女性客を意識した構成だ。

管理人の興味を惹いたのはスクールである。スキーは15分間レッスン無料、スノボーは500円ワンコインで30分間レッスンを受けられというものだ。これまでスクールに目が行っているスキー場は少なかったと思う。もともとスクールはスキー場と経営が異なったりしているのでゲレンデサイトでも詳しく紹介されていなかったり、別サイトというケースも多かった。このあたりに目が行ったというのも鋭い。特にクイックマッサージ感覚のワンコインレッスンはアイデアの勝利であると思う。

また、「雪山ガール」という名称がよい。それ目当てで来る男性もいるであろうし、女子間では口コミで伝わるであろう。今シーズンは「雪山ボーイ」も登場したが相乗効果が期待できる。ネットだけ見て楽しんでいた未経験者もリアルの世界に飛び込んでくるかもしれない。

さて、この3連休、スキー場は久しぶりに賑わったようで、高速道路もゲレンデへ向かう車で大渋滞を起こしていた。長期間、続いたスノーリゾートの不況であるが、底を打ったようで上昇に転じていることだけは間違いなさそうだ。しかし、5,6年前の水準に戻っただけであって勝負はこれからであろう。

この数年、スキー場はゲレンデへの客足を戻そうと多くの施策を繰り返してきたが、スキー場や地域単独での展開には限界があったようだ。しかし、昨シーズン、リクルートじゃらんが中心に行った19才はリフトが無料となる「雪マジ19」プロジェクトが好評で、今シーズンは参加するスキー場が大幅に増えた。また、家族連れの集客を狙ったプロモーションを実施するスキー場も増え、少しずつではあるが地道な集客活動が実ってきている。

その間、スキー場の意識も変わってきた。それまでスキー場ビジネスは稼げる時に稼ぐ季節集約型であり、サービス産業という意識は希薄であった気がする。運営する側の都合が優先され、利用者の意向は無視されがちであったが、最近になって利用者本位のサービスが目立つようになった。

今回、紹介をした「白馬さのさかスキー場」は規模も小さく、名前こそ「白馬」と付いているが、もともとはさのさか(佐野坂)と青木湖、鹿島槍の3スキー場が「サンアルピナ○○○」という名称で営業を行っていた。しかし、休業や身売りなどで再びバラバラとなり、白馬さのさかもスキー場運営のクロスプロジェクトグループ(長野県白馬村)に運営委託されていた。

このクロスプロジェクトという会社、国内や海外でスキー場運営を行っているが、各スキー場の個性を上手く引き出している。たとえば、「ノルン水上スキー場」ではスキー学校の校長が女性で、スキー雑誌でセミヌードを披露して話題となった。

ここのスタッフは既存では思い付かないようなアイデアを引っ張り出すことに長けている気がする。多分、楽しみながら企画を出し合っているのであろう。単なる話題づくりではなく、中味もともなっているのは素晴らしいことである。

一時、スキー場運営にはファンド系会社が参入したが、すぐに撤退。最近、前述したクロスプロジェクトや兵庫県・ハチ北のマックアースなど積極的にスキー場の再生事業を行う会社が登場しているのも注目である。今、日本のスキー場が変わろうとしている。

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