*

自転車をバスの専用キットに積み込める「サイバス」、サイクル・ツーリズムの可能性

cybus01niseko-bus   

左:国際興業「サイバス」の専用トランク 右:ニセコバスの積載実験

路線バス事業者の大手、国際興業が自転車を専用のトランクに収納し、目的地まで移動し、サイクリングを楽しむ「サイバス」(CyclingとBusを掛け合わせた造語)を始め、話題となっている。貸切バス車両のトランクに独自で開発した専用積載キット(特許申請中)を設置したもので、これまでハードルの高かった離れた場所でのサイクリングが容易となった。

最近、都心でも通勤に自転車を利用する人が増え、サイクル・スポーツ人気もあり、自転車人口が増えている。その辺りに目を付けた国際興業バスでは、初心者や高齢者でも楽しめるようにとサイクルツアー用のバスを開発した。

自転車は鉄道など公共交通機関への持込みに制限が多い。現在、JRの決まりでは、競技用自転車のみ解体して専用袋に収納して持ち込むか、タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ以内の折りたたんだ自転車を袋に入れての車内持込みが許されている。約款を読むと競技用自転車に関しては、「競輪選手が使用する」と書かれており、かなり前に作られたものであろうが、以前は競輪選手限定であったようだ(現在は競技用でなくても解体、専用袋に入れれば多少大きめでも大丈夫のようだ)。

実は10年前にJR東日本とパナソニックが僅か6.5キログラムの軽量折りたたみ自転車「トレンクル」を開発している。コインロッカーにも入るサイズが売りであったが、価格が電動自転車よりも高かった。管理人は欲しかったが、値段の高さと何度も折りたたみとガタがくると聞いてやめた記憶がある。

欧州では自転車の車内持込みが容易で、解体せず持ち込める鉄道や路面電車が日常的に運行され、通勤にも利用されているが、交通事情が異なるとはいえ、日本はまだ遅れていると言わざるを得ないであろう(路線バスの自転車積載は全国で何社かやっているが、実験的な要素が強い)。

通勤利用ではなく、レジャー向けだが、「サイバス」の登場は意義があると思う。前述したが、目的地まで運んでくれるので移動が楽になる。行動範囲が広がり、特に初心者や高齢のサイクリストには有難い。勿論、環境にもやさしく、観光地の混雑緩和にもつながる。管理人が住む鎌倉などでは最適なシステムである(坂が多いので電動が必要だが)。

「サイバス」の発想は、バスの新たな活用方法にもなる。現在は自転車愛好者の貸切ツアー向として使われているが、これ以外にも観光地での路線バスとしての活用やレンタル自転車として事前に積んでおき、目的地で貸し出すなどいろいろな活用がありそうである。貸切バス事業者は飽和状態であるが、サイバスのようなオプションを作ることで、他社との差別化にもなる。

また、北海道観光ではレンタカーが主流となっているが、サイクルバスのようなもので各地を結べれば、観光スタイルも変わってくるであろう。以前、阿寒湖-オンネトー間やニセコ地区で自転車積載実験の路線バスが走ったが、その後、どうなってであろうか。

交通混雑の激しい日本では、通勤で欧州のように自転車を車内へ持ち込むのは厳しいと思うが、まずはレジャー利用で、サイクル・ツーリズムとしてバスから自転車を活用してみてはどうであろうか。

 - すべての記事一覧, 公共交通(バス関連)