*

「日本最低を目指すバス会社・宇野自動車」こんな素晴らしい路線バス会社が存在した

P9100923 P9090844

知らない町へ来ると路線バスを見るのが楽しい。乗車しなくてもボディカラーや車両を見ているだけでご当地感に浸れる。時刻表などで社名は知っていてもいざ初対面となると新鮮である。

先日、岡山駅へ降り立った。当地を訪れるのは何と高校の修学旅行以来で殆どマチの記憶はない。四国へ行った時も新幹線からそのまま乗り換えてしまったので駅へ降り立ったのは初めてかもしれない。修学旅行の時は国鉄の春闘スト(死語)のため、バス移動であった。

駅前周辺には多くの路線バスが走っている。両備グループの両備バスと岡電バス、ナローゲージで有名だった下津井電鉄バス、戦前、岡山-津山間の私鉄が前身の中鉄バスなどが目に入る。その中でブラウン系の渋いカラーのバスが走っているのを発見した。

ボディには宇野自動車(宇野バス)と書かれており、他社がノンステップ車中心なのに対し、ステップ車で観光バスのような座席配置、白いカバーまでかかっている。また、屋根の上に小さなロケットランプのようなものが取り付けられているが、昭和30年代~40年代の観光バスのようでユニークだ。この宇野自動車(宇野バス)、JTBの大型時刻表などで名前は知っていたが、てっきり宇野市がホームの会社と思っていた。しかし、行き先を見るとどうもそうではなく、ちょっと気になった。

実は翌日の予定を決めておらず、一案としてかつて同和鉱業片上鉄道が走っていた柵原にある「柵原ふれあい鉱山公園」へ行こうかと考えた。ここは駅舎や車両が動態保存されている本格的な鉄道パークだ。アクセスを調べると、岡山から宇野自動車の路線バスとあるが、今春に廃止になっており、今は岡山方面からは行けないようだ(津山から中鉄北部バスを利用するとある)。そこは諦めたが、気になっていた宇野自動車(宇野バス)が登場したので同社をホームページで検索してみるとバス会社とは思えないようなトップページが登場した。

いきなり飛び込んでくる「日本最低を目指すバス会社」というキャッチコピーに最初驚いたが、これは日本一安い運賃を目指しているかららしい。実際、宇野自動車(宇野バス)の運賃は全国でも2,3番の安さで岡山県内では一番、中にはJRよりも安い区間があるとのことだ。それにも関わらず、ほぼ毎年黒字を出しているというところがすごい。

前述したステップ型の車両も新しいバスが買えないのではなく、「着席がお客様への最大のサービス」というポリシーから座席数を増やすために、あえてステップ車を導入しているとのこと。

宇野自動車(宇野バス)は現社長の祖父が創業したとあるが、宇野自動車(宇野バス)の社名はその姓の宇野から来ている。宇野自動車(宇野バス)の創業は大正7年と県内ではいちばん古く、全国的に見ても最も古い部類のバス会社であろう。特徴としては、創業以来、バス事業専業であり、高速バスや貸切観光バスも運行したことのない一般路線バスに特化していることにある。こういった手堅さが長持ちの秘訣かもしれない。

HPの会社案内の中にある「社長挨拶」はすばらしい。ざっくばらんに創業以来の志を述べている。なかなかこんなバス会社はない。また、求人案内の「求む新人」もバス業界の規制緩和により、ただ賃金の安い人材を求める傾向が業界にある中、モチベーションを駆り立てる内容となっている。

岡山県には両備グループという優良公共交通企業(ITなども有名だが)があるが、こんな会社も隠れていたことをお知らせしたい。

 - すべての記事一覧, 公共交通(バス関連)