*

三越伊勢丹が小型店を出店、道内地方都市に百貨店の灯は戻るか

Kushiro 055 Kushiro 054

2006年に閉店をしてから入居先が決まらない旧丸井今井釧路店

百貨店の三越伊勢丹ホールディングス(HD、東京)が、新業態の小型店を道内で展開する方向で検討に入ったことが分かった。出店地は札幌のほか帯広、釧路、北見、苫小牧などが有力視されている。品ぞろえを婦人雑貨や贈答品などに絞り込んだ店を機動的に出し、大型店の営業が難しい地方で需要を取り込む戦略だ。 (10/23付 道新)

道内地方都市から百貨店が消えて久しい。百貨店が消えた都市としては、室蘭市(2009年丸井今井)、苫小牧市(2009年丸井今井)、小樽市(2009年丸井今井)、釧路市(2006年丸井今井・前身は丸三鶴屋)、北見市(2009年北見東急)などがある。

また、函館市(2003年函館西武)、旭川市(2009年丸井今井)でも主要百貨店が撤退しているが、この傾向は2006年頃から加速している。北海道の場合、全国的な百貨店の退潮傾向以外にも丸井今井の再建が上手くいかなかったことや競合となる大型スーパーや量販店が進出しやすい条件にあったことなどがあげられるであろう。

今回、三越伊勢丹HDが道内地方都市に「エムアイプラザ」という小型店舗を出店する計画というが、現在、道内には外商機能を兼ね備えた三越の小型店舗が苫小牧、帯広、釧路、北見にある。出店を計画している地域はすべて既存の小型店舗がある場所なので、新ブランドに変わるということであろう。

新業態の小型店「エムアイプラザ」だが、既に東京・青梅市と仙台市に出店をしている。三越伊勢丹の支店がある大都市近郊の住宅地に出店し、半径2km圏内に住む50~60代のシニア層がターゲットという。上質感や安心感を求める百貨店ユーザーがハレの日だけでなく、日常生活で頻繁に利用できる地域密着型店舗を目指ということだが、既存店の転換も含め、3、4年でエムアイプラザを100店舗まで増やすのが目標だ。

かつて三越は「三越エレガンス」という郊外型の店舗を運営していた。高級感のあるスーパーといったところであったが、現在は世田谷の馬事公苑を除いてなくなってしまった。管理人の地元にも大船松竹撮影所跡地に「鎌倉三越エレガンス」が出来たが、数年前に閉めて、今は「BOOKオフ」と「DAISO」になっているので時代を感じさせてくれる。伊勢丹は食料品スーパーに強いので「エムアイプラザ」はエレガンスとは別のものになるであろう。

道内地方都市では需要はあるであろうか?

百貨店離れが進み、多くの商品はネットで購入することができる。しかし、百貨店がステータスとして育った中高年層にとってはまだまだ魅力的な存在かもしれない。こ洒落た婦人服や少し高級な食料品、三越の包装での贈答品など需要はあるであろう。特にクルマを利用しない人たちにとって中心街にあるこういう店は規模が小さくても貴重である。

小型店舗といえば、先日、ヤマダ電機が道内小都市の300坪以下の小型店舗から撤退するという記事を見た。家電量販では“300坪の呪い”という言葉があって、小型店は最初は良くてもやがて売上が落ちるというケースが多いらしいが、小型百貨店の場合はどうであろうか。

帯広の藤丸百貨店のように孤軍奮闘しているケースもあるが、これは地元意識が強い十勝だからこそ成り立っているのだと思う。「エムアイプラザ」は小型店舗なので地域のランドマークという訳にはいかないであろうが、多少でも中心街の再生に役立ってもらいたい。出来れば地元の食材に力を入れるなど地域密着でやってもらいたいところだ。

 - すべての記事一覧, 地域づくり&イベント