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「北海道暮らしフェア」、場当たりではなく、長期的な戦略に立った移住&滞在型事業の実施を

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最近、道が力を注いでいる「ちょっと暮らし」や移住に関する総合イベント、「北海道暮らしフェア」が16日(土)、浅草にある東京都立産業貿易センターで行われた。昨年は秋葉原駅前のインテリジェントビル、一昨年は恵比寿の「ガーデンプレイス」とアクセスがよい会場であったが、今回は浅草駅から少し歩く、あまり馴染みがない場所での開催である。それにも関わらず会場は盛況であり、イベント自体が定着してきたようである。

この「北海道暮らしフェア」、かつては北海道移住をメインとしたイベントであったが、最近では、中長期滞在の「ちょっと暮らし」の案内が中心である。管理人は20年近く道の移住絡みのイベントを覗いているが様変わりをしている。当初は若者層を含めた総合移住相談イベントであったが、道内の就職難や長引く不況により、移住は尻つぼみとなり、やがて団塊層の大量離職を見越したシニア移住がターゲットとなった。しかし、それも予想したほど伸びず、まずは中長期滞在をしてもらってから完全移住へ結びつける「お試し移住」、完全移住は諦め、デュアルライフ(二地域居住)や夏季のみ滞在するような「ちょっと暮らし」にシフトをするようになった。

北海道移住も日本経済に翻弄された格好だが、管理人も一時は完全移住を考えていた。同時に「ちょっと暮らし」のはしりのような形で1993年から釧路市で夏季滞在をしており、移住や中長期滞在に関する経験値はあるかと思う。

今回のイベント、来場者を見ているとやはりシニア層が目立つ。事前に興味のある市町村を調べている人たちも多いように見受けられ、見当違いの客は少なかったようだ。今回の特徴は多くの市町村で「ちょっと暮らし」の住宅を用意していることだ。以前は古い公営住宅などが多かったが、ログハウス風に新築をしたものや公営住宅を大幅にリニューアルをするなど住居環境が飛躍的に進歩していると感じた。また、滞在者用の体験プログラムなども用意されており、とりあえずは”よーいドン”で動いているようである。

課題もいくつかある。まず、「ちょっと暮らし」で来る人たちは来場者を見てもわかる通り、シニア層が中心である。はたらき盛りが少ないのは相変わらずであり、高齢者が多いマチに高齢者が来て、どういう効果が期待できるのかという疑問がある。また、滞在時期はほぼ夏季に集中をしており、秋から春にかけては大半のマチが開店休業のような状態にある。これは北海道観光全般の傾向でもあるが、需要と供給のバランスが悪くなっている。

完全移住であれば、そのマチに税金が落ちるが、「ちょっと暮らし」では現地での消費のみである。それだけでも大きな金額であるが、将来的なビジョンとなると苦しいところがある。現在、どの市町村も同じようなモデルハウスを建て、滞在プログラムを提供をしているが、中核都市、そこそこの市、鉄道も通っていないような町村では求められるものを変わってくる。当然、都会的な暮らしを求める人と田舎暮らしを求める人とではニーズが異なる。このあたりの需要を見極め、何を提供すべきか判断する眼力が求められる。同じでは埋没する。

管理人ははたらき盛り層の滞在者の開拓が必要と考えている。サテライトオフィス、会議やセミナーでの利用など個人だけではなく、法人を巻き込んだPRも必要であろう。道の移住対応を見ていると、場当たり的であり、長期的なビジョンで考えているとは思えない。ここは長いタームで戦略的に考えてほしい。景気動向は読めないが、日本や北海道の人口が今後どうなるかは、間違いなく読める。それに見合った移住なり、滞在型のプログラムを作ってゆくべきであり、各市町村が画一的であってはならない。

地域の特性と長期的な戦略に立った移住&滞在型事業の実施が求められるのではないか。優先順位は若者からはたらき盛り層のはずである。

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