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「はやぶさ」と横須賀線、グリーン車とグリーン・アテンダント考

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E5系「はやぶさ」のグリーン車 フットレストがない

少し前の話だが、4月に青森から東京まで「はやぶさ」のグリーン車に乗った。東北新幹線のグリーン席は何度か乗車しているが、E5系のそれは初めてであった。乗って驚いたのは足元のフットレストがなくなっていたことだ。足置きのことであるが、足台を一回転させれば靴を脱いで足を乗せることができる。これまで乗った全国の特急や新幹線グリーン車でフットレストがない車両は初めであったが、代わりにという訳か太腿から足が持ち上がる電動のレッグレストが付いていた。好みは分かれるであろうが、管理人は定番であるフットレストの方が好きであり、レッグレストは付いていてもあまり使わない。思うにE5系はグリーン車よりも更に上のグランクラスがある。そちらにはフットレストは付いているが、3クラスとなったため、グリーン車は格落ちということであろう。昭和30年代の前半まで国鉄は3クラス制を取っていたが、今のグリーン車は当時の2等車という訳である。

JR東日本の新幹線グリーン車には女性アテンダントが乗車しているが、対応も事務的で、あまり感じがいいとはいえない。その傾向は以前からあったが、3クラス制になって、グリーン車は「プチ贅沢」の客ということで、昔に比べると粗末に扱われている気がする(被害妄想?)。東海道新幹線グリーン車との差も感じるが、東日本のグリーン車はどこまで乗っても4千円であり、仕方ないということか。それに対して、JR北海道の特急グリーン車の対応はよい。アテンダントによるマイクを使わない車内での直接の挨拶、飲み物の御代わりも頃を見計らって聞きに来るなど総じて質も高い。使えないのが多い男性車掌と比べ、JR北の女性アテンダントは契約スタッフにも関わらず頑張っている。

このグリーン・アテンダントだが、管理人が利用している横須賀線にも乗車している。首都圏の中距離在来線は今でこそ増収のために総武快速線、高崎線、宇都宮線、常磐線、湘南新宿ラインの普通電車にもグリーン車両を連結しているが、かつては横須賀線と東海道線のみであった。その歴史は古く、横須賀軍港のために作られた路線のため、海軍軍人用に優等車を連結、その後、観光客や別荘族、文士なども増えたため、昭和初期に電化されて以来、原則、すべての電車に優等車両を設けるようになった。

現在のグリーン車は2階建車両だが、113系電車の時代は平屋であり、キャパも今よりだいぶ少なかった。勿論、アテンダントなどはおらず、クリーム色の制服を着たベテラン車掌が担当していた。最後尾に乗っているふつうの車掌よりは役職も上という感じでステータスがあったと記憶している。車内検札の際、すべての乗客の下車駅をメモるので、寝過ごしそうになっても必ず起こしてくれた。乗客の身なりで対応が変わるような慇懃無礼な車掌もいたが、国鉄時代から2階建が導入される90年代初頭ぐらいにかけては伝統的な雰囲気が残っていたと記憶している。

たとえば車内での飲食はタブーで、せいぜいビールまで。さきイカやシュウマイ弁当でも広げれば、周囲から冷たい視線を浴びせられる雰囲気があった。東海道線は行楽的な要素もあるので、このあたり大らかであったが、横須賀線は独特な雰囲気があり、すべて自由席にも関わらず、グリーン定期利用者の座席も暗黙で決まっており、車掌と客は顔見知りであった。雰囲気がいっきに変わったのは、担当車掌が若手に変わり、検札以外のサービスをやらなくなった頃からであろう。1990年代後半頃からだと思うが、車両も今の217系に変わり、すべて2階建車両を連結、起こしてもくれなくなるようになり、寝過ごす客も増えてきた。

そして2006年からグリーン・アテンダントが乗車するようになった。また、ほぼ同時期にICカード(SUICA)で事前にグリーン券を購入し、座席上のセンサーにタッチする方式に変わった。事前購入者の車内検札はなくなり、車内でグリーン券を購入すると何百円か高くなるという理不尽なシステムを導入した。さらにこれまで定期券では乗れなかったが、別途グリーン券を購入すれば定期利用者でも乗車券を買わずに利用できるようになった。グリーン車はいっきに大衆化し、アルコールもさきイカも、駅弁もありの車内になってしまった。

前置きが長くなったが、グリーン・アテンダントはJRの社員ではない。NRE(昔の日本食堂)との契約社員であり、車掌業務省力化のために導入されたものである。東日本の新幹線も横須賀線などの普通電車も同じNREのスタッフである。本来、車掌は車掌試験を受けなくてはなれないはずだが、曖昧な基準で既成事実化している。車内でグリーン券を購入すると割高になると前述したが、この分はNREの懐に入るようである。大半が女性であるが、数年前には早朝の車内で強姦されるという事件も起きている。それ以降、警備員の乗車や男性スタッフの採用もしているが、いちばん変わったのは、女性アテンダントの見栄えが落ちたことである。故意に容姿端麗は採用せず、○○にしていると思われるが、残念ながらJR北海道のアテンダントとは随分違う(セクハラ発言かもしれないが皆そう思っているのでは)。

グリーン・アテンダントは籠に飲み物やお菓子を積んで車内販売をする。お土産のアナウンスもするが、通勤電車でこれをやられると煩く、うざくなる時もある。利益至上主義のJRは合理化のため、駅職員やみどりの窓口スタッフも契約社員を採用しているが、これでいいのかといつも思ってしまう。もし、事故等アクシデントが発生した場合、アテンダントで対応できるのであろうか。

グリーン車は大衆化し、首都圏では普通電車にも連結されるようになった。それに対して、文句を付けるつもりはないが、ちょっと緊張感があった時代のグリーン車が懐かしい。そういえば最近の客はリクライニングを倒す時、多くが何も言わずにいっきに倒してくる。以前は「下げてよろしいですか」と訊いてからしたものである。このあたりも考えてしまうところであるが、誰か大人のグリーン車ルールを教義してくれないであろうか。

 

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左・横須賀線2階建グリーン車車内 中央・113系時代の平屋グリーン車 右・現在217系のグリーン車

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