*

相鉄に買収されたサンルートチェーンを語る

DSC_0290

開業当時のサンルートニュー札幌の広告(1988年頃)

神奈川県が地盤の鉄道会社、相鉄ホールディングスは30日、JTB傘下でホテルチェーンを全国展開するサンルート(東京・渋谷)を買収すると発表した。2020年の東京五輪に向けて増える外国人観光客などの需要を取り込む。沿線住宅地の少子高齢化で本業の鉄道事業の成長は鈍化する。資産のスリム化を進めるJTBからホテル事業を取得し収益の柱に育てる。(5/30付 日経

サンルートはちょっと不思議なホテルである。1970年に創業とあるのでビジネス系ホテルチェーンとしては最老舗の部類であろう。印象としては、東急インやワシントンなど70年代後半に登場した全国チェーン展開のビジネスホテル第一期生ともいえるカテゴリーに入るが、他と大きく違うところはビジネスの他に、シティホテルに準ずるもの、リゾート系、結婚式などを主体とするコンベンションホテルなどひと言でいってバラバラであった。また、ビジネスタイプといってもホテルによってかなりの差があり、とても同じブランドのホテルと思えなかった。本格的なフランチャイズ制を最初に導入したのもサンルートだと思うが、加盟ホテルの変更も多く、統一感のないホテルチェーンといって差し支えなかったのではないか。

記事によるとサンルートの親会社はJTBとあるが、以前からそうであったようだ。日本旅行も参画していたようだが、かなりお役所体質のホテル運営会社であったのではないかと想像する。管理人も全国結構の数のサンルートに泊まっているが、道内では札幌、釧路でお世話になっている。札幌市内には駅北口に「サンルート札幌」、狸小路に「ニューサンルート」があるが、やはりここでも同じブランドとは思えないほどの差がある。駅近くのサンルートは並以下の古いビジネスホテル、狸小路の方は出来た当初はシティホテルに近い位置付けであったが、今はだいぶ草臥れてアジア系御用達になっている。この二つのホテルは運営が違っており、北口はFCで狸小路は直営らしい。

釧路は駅前にあったが、やはり古かった。目の前にあった東映ホテル(現在のロイヤルイン)が定宿であったので1回きりだ。ここは閉鎖後、十数年空き家になっていたが、数年前に某宗教団体がビジネスホテルを再オープン、しかし、火事を出し、ふたたびゴーストビルになっている。道内ではこの他、室蘭が営業中だが、かつては苫小牧にもあった。函館には提携ホテルの「ホテルネッツ」があるが、この提携というのも利用者から見ればどうでもいいことだ。

都内では新宿駅南口から代々木に向かう途中にあった「サンルート東京」は何度か待合わせや商談で使っている。実はこのホテル、オープン時は大々的にCMを流していた。中原理恵の「東京ララバイ」はサンルート東京のCMソングでかかり、大ヒットしたと記憶している(ネットでこの件を調べたが、全くひっかからなかった)。♪午前6時の山の手通り♪という歌詞があるが、場所から考えてもタイアップソングであろう。サンルート東京は、数年前に取り壊されて、今は新たに「サンルートプラザ新宿」になっている。

今回、サンルートを買収したのは相模鉄道である。この会社、鉄道部門は大きくなく、かつては大手のカテゴリーではなく、春闘ストなどの際は中小私鉄に入っていた。その後、沿線の発展に伴い会社も大きくなったが、鉄道利用者の減少も始まっており、最近ではホテル事業に力を入れている。同社のブランド「相鉄フレッサイン」は都内や神奈川県内に15あり、宿泊に特化した今時のビジネスホテルだ。どこも立地がよく、客室もコンパクトながら質は高いので、評判のいいホテルである。今後、相鉄がサンルートチェーンをどう扱うかはわからないが、両者を合わせると全国5位の規模になるという。また、サンルートを売却したJTBは、社長が「我が社は設備や資産を持たない方針だ。これが最後の(大型)売却になる」と話している。これも正解であろう。

 - すべての記事一覧, ホテル・やど関連