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禿げ頭で有名になったホテルテトラはPR手法のお手本だ

北海道の Sounkyo Mount View Hotelは禿げ頭の客の宿泊料金を割安にするユニークなキャンペーンを始めた。完全な禿げ頭の客・ほぼ完全な禿げ頭の客が対象。一泊あたり500円の割引になる。 同ホテルは大手Hotel Tetora Groupの一角。(8/17付 ロシアの声

   このネタ、最初に見たのは1週間ぐらい前の道新であったが、瞬く間に全国へ拡散し、朝のワイドショー(モーニングバード)では社長が登場、昨日はロシアの国営通信「イタル・タス」でも紹介されるほどの人気ぶりだ。管理人はあまりにくだらないので記事にするつもりはなかったが、全国版のテレビニュースになった段階でfacebookの拙サイトで紹介をした。

企画を発案し、ニュースソースを提供したのは函館を中心に全国にホテル事業を展開するホテルテトラグループの三浦社長である。社長自ら禿げであり、風呂場の清掃の際、禿げの客が泊まった後は落ちている髪の毛が少なく、掃除が楽という従業員の話を聞いて思い付いたというが、これはメディアが飛びつくPRのお手本のようなケースである。情報発信側が自らの体験・経験によるちょっとしたビジネスのアイデアや、メディアが飛びつくようなキーワードを提供するだけで「これは面白い」と注視してくれる。

特に地方はニュースネタが少なく、記者も探し回っている。都会の感覚でいえば、よくこの程度の話でニュースになるなと思うが、それでも複数のメディアでバッティングすることも多い。知り合いに記者がいれば、取材要請をすれば書いてもらえさえするが、この北杜もこれまで何度も記事を拝借されており、コピペに近いものも何回か見ている。特ダネ探しは地方に限らず、全国メディアでも同じだが、ネットやSNSが普及したことで以前よりもネタ探しが過熱しているようである(最近の記者は歩かないと言われるが。。。)。

前述したように、北海道の特に地方はニュースが少ないので頭を捻り、面白ネタを作ればメディアは飛びついてくる。それも内容によっては道内に留まらず、この「禿げ割」のように全国、世界へ情報が発信されるのだ。管理人は起業当初、PRを中心にしたマーケティングが本業(当時はPR代理店という呼び方であったが、こちらの目指したものは少し違った)だったので、PRの重要さは誰よりもわかっているつもりだ。PRは広告と違って原則無料、今回のホテルテトラの媒体効果は数千万円を軽く超えていると思う。

わが社には面白いニュースソースなどないし、告知の方法もわからないから無理と思っている方も多いであろうが、普段は気付かない身近なものに原石が隠されている場合が多い。「禿げ割」も毎日の清掃がヒントとなっているが、実はテトラグループの話は3年前にも一度、紹介している(『函館のホテルが高齢者向け「越冬マンスリー宿泊プラン」を販売』)。珍しい切り口だったので書いたが、全国的に飛びつくネタではないであろう。今回の禿げはボーダーレスであり、ひとつよかったのは社長自らが顔写真に登場し、モデルとなったことである。本来であれば、身体的特徴を笑いものにしていると受け止められかねない内容だが、社長自らが広告塔になったことで、ここまで拡散をしたと思われる。以前から管理人はテトラの社長ブログはたまに読んでいたのだが、その反響の大きさに本人は驚いているようである。先日、関西出張した折は自分のホテルが満室で泊まる部屋がなかったというが、たかが500円の割引でもこれだけの反響があるということである。

話題づくりは結構シンプルである。簡単にいえば、新聞や週刊誌、ポータルサイトやラテ欄の見出しになるようなもの、お気楽で視覚的に訴えやすい情報をメディアは求めている。考え過ぎてもいけないが、最初は新しいサービスを企画したら地元のメディアに知らせ、知り合いがいれば取材要請をする。また、自分のところのHPやSNSではしつこいほど紹介する。また、リリースを作って定期的にヤフーなどのニュース配信元メディアに投げてみるのも一案。これだけならお金は一切かからない。

このテトラグループ、函館市内に6軒の宿があるが、どれもお世辞にも○○○とはいえず、泊まったこともない。道外も買収したホテルばかりだが、かなりのバラつきがあるチェーンである。これからの会社であろうが、「禿げ割」によって、知名度を上げ、面白いホテルという印象を与えた効果は計り知れない。どこにでもチャンスはある。

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