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新幹線開業前夜の北陸路をレポート(2) 直江津-富山-金沢-福井

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左 青塗色の50年近く頑張る元急行車両 右 トンネル筒石駅と女性駅員

東京から長野新幹線で長野、さらに信越線に乗り継ぎ直江津へ。ここからは北陸本線に乗って西を目指すことに(前回のリポートはこちら)。

直江津14時51分発始発の富山行普通列車に乗車。ホームには見慣れないやや毒々しい青に塗られた古い電車が停まっている。昭和40年代前半から走るかつての急行電車を改造した車両だが、白地に青い帯の北陸カラーから塗り替えられていた。直江津、富山から金沢間を走る電車がこの青電車で、新幹線開業後の三セク用にも使用するものなのかわからないが、昔、大糸線や富山港線を走っていたくすんだ青に塗り替えられていた旧型国電を思い出した。

直江津から糸魚川の先まで海岸線沿いを走る。北陸線の中でも好きな景色で、ここは各駅停車の旅に向いている。途中、トンネルの中に駅がある筒石駅では、ホームの扉の向こうから女性駅員が現れてビックリした。利用客はいなかったが、駅員が常駐しているようで、それも若い女性である。こんな真っ暗な駅に一人(?)で大丈夫なのであろうか。

糸魚川は新幹線停車駅である。当初は途中下車をして、フォッサマグナミュージアムへ行く予定にしていたが、休館日に重なってしまい今回は断念。十数年前に姫川沿いにある一軒宿の温泉に泊まったことがあるが、糸魚川は北アルプスへの玄関口でもあり、新幹線が開業すれば観光客も増えそうである。天下の剣・親不知を過ぎると富山県に入るが、車内は高校生が増えてきた。富山の若者の顔を見ていると、平均して顔が小さく、目が切れ長。人形のような顔をしていてなかなか可愛い。同じ北陸でも加賀や越前へ行くとまた顔の造りが異なる気がするが、それだけ北陸は広くないにも関わらず文化人類学的(?)にも多様性があるということであろう。

北陸新幹線には途中、黒部宇奈月駅があるが、北陸線からは少し離れており、富山地鉄の駅に隣接する。宇奈月温泉は宿泊客が減って苦戦していると聞くが、新幹線が開通すれば、これまで少なかった首都圏方面からの客が期待できる。大箱ホテルが多いので個人客需要に対応できるかが問題だが、黒部観光の拠点なので復活を期待したい。

9月11日の宿は富山駅前の富山地鉄ホテルである。現在、富山駅は駅前が大リニューアル工事中でJR駅も仮営業のような状態である。既に新幹線用の新駅は完成しているが、まだ使用されておらず、駅前は工事で迷路のようになっている。地鉄ホテルはその名の通り、地元民鉄直営のホテルで、駅舎ビルの上にある。泊まって驚いたことは、ここでもアジア系の観光客がやたら多いのである。どこに行くのだろうと思ったが、立山・黒部アルペンルートが人気になっているとフロントの方から訊いた。ホテルの2階からは立山行きの電車が出るので便利であろう。こちらも新幹線開業効果が期待できそうである。この地鉄ホテルだが、朝飯が旨く、良心的なのでおススメである。

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上左 改良工事が進む富山駅前 上右 ライトレールと同タイプの市内循環線(地鉄)

下左 アジア系観光客も多い地鉄富山駅 下右 中心車両になってきた521系

12日は午前中は岩瀬浜へ行く話題のライトレール(旧富山港線の線路を大半使用)と市内路面電車(セントラムライン)に乗車。この規模のマチで地鉄を含めてよく頑張っているなと思う。富山からは高岡まで普通電車で。ここで使用されている車両は521系といって「新快速」と同じ形なので、座席もすべてクロスシートだ。新幹線が開業し、乗り換えた後がこの521系だと落差はなさそうだ。同じく新幹線開業を控える某JRも見習っていただきたいと思うが。なお、開業後は三セク区間もこの新型車両が中心となり、糸魚川-直江津間を除いて昭和40年代の車両はごく少数になるとのことだ。

高岡ではライトレールに似た三セクの万葉線に乗車。加越能鉄道時代に乗って以来、16年ぶりだが、ここもよく頑張っている。今回は時間がないので、中伏木という万葉集にも出てくる港町で戻ってくるが、高岡駅も新しくなって工事中であった。新幹線は城端線と交差する新高岡という駅になるが、民衆駅のモデルのような駅
舎があった過去が懐かしい。余談だが、城端線と氷見線のキハ40や47は朱色の国鉄カラーに戻っていた。こちらの朱色の方が釧路の国鉄色よりも忠実に再現されている色だと思ったが(?)。

高岡からは「サンダーバード」でいっきに福井へ。本来なら金沢で下車しないといけないのだが、新幹線開業を控え、それ関連の情報も多い。また、出来上がったしっかりしたマチなので今回はいいかなと思いスルーさせていただいた。この「サンダーバード」だが、「しらさぎ」を含め、9月15日限りで車内販売が廃止されるという。こちらも開業を控え、スタッフの訓練もあるので早めに廃止にしたのであろうか。最近、JR各社で車内販売の撤退が急速に進んでいる。

福井では市内唯一のシティホテルであるユアーズホテルに宿泊。ホテル玄関前が福井鉄道の福井駅前である(路面区間の駅)。実は翌日、福井鉄道で越前武生(いつのまにか武生新から変わっている)までドイツ製のレトラムラインに乗る予定にしていたが、不具合で運転中止になってしまった。福井も数年前に駅舎が新しくなり、さらに駅前の古い商店街が壊されて、再開発が進んでいる。間もなく新幹線が来そうであろうが、残念ながら開業予定は2025年である。既に新幹線用の高架ホームも完成しているが、これ見よがしであり、虚しく見えてくる。

管理人が思うに北陸3県は文化的には関西エリア。特に福井はその色合いが濃い。今回、東京と新幹線が結ばれると他の2県は東京の影響力が強くなり、福井とは分断されそうである。本来、大阪と北陸を先に繋げるのが過去の流れからいっても筋ではないであろうか。これでは東京一極集中がさらに進み、関西圏の地盤沈下が加速するのではないか心配である。政府は地方創生などと言っているが、本当に強い日本を作るのであれば東京と双璧を成すライバルを作ることが先だと思う。管理人は福井(越前)という土地柄が好きであり、新幹線が出来ないことで、暫くは安泰だと喜んでいる面もあるが複雑である。

新幹線が全国へ伸びることは否定しないが、東北や新潟方面などは線路が伸びるたびに地元性が薄れ、東京化してしまったことは残念である。今では青森でさえもほぼ標準語になってしまったが、北陸エリアは歴史があり、東京絶対主義ではないので地域性はあまり薄れないと思うし、そう願いたいというのが、長野から北陸路まで旅した感想である。

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左 福井駅と肩を並べる遺跡のような新幹線ホーム 右 福井駅前に到着する福井鉄道

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