*

北海道開拓の村と北海道博物館 その魅力と課題

2015091108234632f IMG_0193

先日、新しく完成した北海道博物館北海道開拓の村を訪れた。博物館の方は初めてだが、開拓の村は1989年以来なので何と26年ぶりである。その時は北海道中央バスの定期観光バスで訪れたが、今回は札幌駅から新札幌まではJR、駅からは往路タクシー、復路は路線バスを利用した。

新札幌駅を降りて、まず気付いたことは現地までの案内標識が殆どないことである。バス乗り場の案内に小さく書かれていたが、勿論、外国語表記などなかった。新札幌はJR北海道では3番目に乗降客が多い駅だが、ベットタウン的な色合いが強く、駅周辺には大型ホテルや水族館があっても観光客にはわかりづらい場所かもしれない。至近距離に地下鉄の「新さっぽろ駅」があるが、こちらはどうして平仮名なのか不思議である。

タクシーに乗り込み運転手に開拓の村と博物館のどちらを先に行った方がよいか尋ねた。というのも当初は隣接していると思い込んでいたが、路線バスの時刻表を見ると両者の移動には3分を要しており、少し距離がありそうである。運転手は地元出身だが、小学校の時に「100年記念塔」に行って以来、来ていないという。概ね地元はこんなものだが、先に開拓の村でしょうということで博物館は後にした(実はこれは間違い)。 26年ぶりの開拓の村だが、前回の記憶は馬車鉄道が走っていたことぐらいであとは思い出せない。当時は北海道の歴史への造詣がなかったこともあるが、あらためて見てみるとここは見応えがある。開拓時代の建築物や展示された風俗文化などはある程度、北海道を知らないと面白くないかもしれない。当日、訪れている客の半分ぐらいは外国人であったが、中華系、韓国、タイ、フィリピンと各国の言葉が聞こえてくる。けっこう楽しめているようであったが、やはり歴史を知らないとテーマパーク感覚で終わってしまう。食べ物や自然、気候だけではない北海道の魅力に気づいていただき、ファンになって何度も来ていただきたいと真に思った。開拓の村は造りもゆったりとしており、犬山市の明治村ほどの有名な保存建築などはないが、内容は濃い。

もうひとつの目的地、北海道博物館へは開拓の村から徒歩で15分ほどかかった。1時間に1本ペースの路線バス以外に交通手段はないが、ダラダラとした上りが続く。野幌自然公園は広大で散策にはよいが、開拓の村でかなり歩いたので、この15分はきつかった。両者を訪れる場合、標高の高い北海道博物館を先に訪れた方がよいかもしれない。北海道博物館は今年4月にオープンしたばかりだが、前身は北海道開拓記念館である。北海道立アイヌ民族文化研究センターを統合し名称を「北海道博物館」と改称したということだが、開拓記念館に26年前に来たかどうかは記憶が曖昧である。

企画展では『夷酋烈像(いしゅうれつぞう)』が開催されており、これは是非観たいものであった。『蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界』という副題で、和人がアイヌ人の姿を描いた絵を中心に、当時の蝦夷地とロシア、アイヌの複雑な関係も垣間見れて面白い内容になっている。この『夷酋烈像』の関して管理人は以前から興味があったが、描かれた当時は松前藩のアイヌへの過酷労働や取り立てが厳しくなり始めた頃で、アイヌ民族の受難はこの頃(18世紀後半)から始まったのではないであろうか。

開拓の村同様、北海道博物館も北海道の歴史をある程度知っていると俄然魅力が出る。管理人もこの26年間、北海道を知るようになってアイヌとそれを取り巻く北海道の歴史に興味を持つようになった。館内には外国人観光客がいたが、欧米系はアイヌ民族に興味ある人がけっこう多いが、アジア系にはどうであろうか。

博物館は想像以上の賑わいであり、道内のミュージアムは週末でも空いているイメージがあったが、道立近代美術館よりも遥かに人が多そうであった。常設展も含め、なかなかの見応え。開拓の村とのセットであれば一日が楽しめそうだ。開拓の村と博物館の間はシャトルバスがあってもいいのではないか。以前は札幌駅から直通バスがあったが、今は新札幌駅や森林公園駅からの路線バスのみ。前述したように案内板や外国語対応などインフォメーションの面では寒いものを感じた。中身がしっかりしているので周辺を固めてもらいたいところである。

 

IMG_0203 IMG_0201

JR北海道バスの開拓の村バス停と中央バスの「サッポロ歴史めぐりコース」定観バス

 - すべての記事一覧, アート・文学・サブカル, 地域(札幌), 観光(インバウンド)