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創部108年 北海道から純粋な社会人野球チームが消える

社会人野球のJR北海道は4日、業績悪化に伴う経営合理化のため、道内社会人野球で唯一、企業チームとして活動していた硬式野球部を、今季限りで休部すると発表した。(11/5付日刊スポーツ

JRH Baseboll club

新千歳空港駅から[エアポートライナー]に乗るとサッポロビール園駅を過ぎた右側にJR北海道野球部のグランドが見えてくる。有名な社会人チームの野球場としては質素な造りで、室内練習場もなく、冬ともなれば雪に閉ざされている。高校野球の方が立派な施設はいくらでもあるかと思うが、線路沿いでJRの商品広告がいくつか張り出されているので目立つ存在である。

この野球部が現存する国内社会人チームの中では最古で、108年目とは驚いた。かつては「札幌鉄道局野球部」と呼んでいたらしが、管理人の記憶では「札幌鉄道管理局」という名称で都市対抗などに出ていた記憶がある。スキーのジャンプ大会でもその名前が連呼されていたと思う。

多くのプロ野球選手も育った古豪名門だが、11/4に業績悪化に伴う経営合理化という理由で休部することとなった。ちょうど社会人日本選手権で敗れた直後の発表であり、このタイミングを計ったように見えるが、企業のリストラで真っ先に犠牲になるのはこういった部門である。今、JR北海道は「選択と集中」やらで企業資源の見直しが行われているが、国交省や道などに粛々と合理化を図っているところを見せなくてはならない。

かつて道内には拓銀や大昭和白老、新日鉄室蘭、王子苫小牧などの名門チームがあった。電電北海道(後のNTT北海道)を含め、五強と云われた時代があったが、現存するものはなく、大昭和は「ヴィガしらおい」、新日鉄は「室蘭シャークス」と市民チームに形態を変えている。国策的な産業が多かった北海道なので、その衰退とともに消えて行った。

そして今回、最後の砦であったJR北も廃部となった。日本経済の衰退と共に企業スポーツは縮小の方向だが、経済地盤が脆弱な北海道はいちばん煽りを喰う地域である。スキージャンプやアイスホッケーなども同様だが、廃部の知らせは地域の衰退とも関連があり、ローカル線廃止問題ともダブる。クラブチームとしては残るようだが、これで道内から純粋な社会人チームが消えることとなる。ファイターズ日本一の裏でやるせないニュースである。

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