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日光レークサイドホテルがリッツカールトンに、日本のリゾートホテルが危機にある

 

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米ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルが高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」を栃木県日光市に開業すると決めたのは、外国人観光客の間で日本の文化や自然を体験できる地方への関心が高まっているためだ。リッツとしては初めて、外国人にはなじみの薄い日本式の温泉大浴場も併設する。日光を訪れる外国人客は日帰りが大半だが宿泊需要は大きいと判断した。(11/8付 日経

東武鉄道系で日光中禅寺湖の日光レークサイドホテルがリッツカールトンに変わることになった。同ホテルHPによると創業は明治27年(1894年)、同じ日光にある日本最初の洋式ホテルである金谷ホテルと共に国内リゾートホテルホテルの草分け的な存在である。

管理人は2014年に同ホテルを訪れている。当初、宿泊をする予定であったが、皇室関連の行事のため貸切で、系列のアストリアホテルに泊まった。その翌日にランチで訪れたが、通常、2食付で1万円台後半で泊まれるホテルであった。同じ日光の金谷ホテルや中禅寺湖金谷ホテルに較べ、良心的な価格設定であり、ここが外資に変わるのは残念なことである。

このホテルの近くには星野リゾートが買い取った「」(旧日光の離宮 楓雅)がある。こう書くと儲かって、日光は賑わっているように見えるが、中禅寺湖界隈のホテル旅館は苦戦しており、西武系のプリンスホテルを含め廃業をしたところも多い。日光もインバウンドの恩恵を享受しているはずだが、都内からの日帰りが多く、近くに鬼怒川温泉がある関係で宿泊は苦戦しており、原発事故による風評被害の後遺症も残っている。

知名度の高い国際的な観光地にも関わらず、日帰り観光地や修学旅行の定番としての印象が強くなり、リゾート地としての日光の印象は薄らいで来ている。親会社の東武鉄道は、日光鬼怒川エリアにテコ入れをしようと特急新型スペーシアの投入や、50年ぶりのSL運転などを来年以降、計画している。今年度は日光と中禅寺湖にある名門・金谷ホテルを買い取り、リゾート地としての再生を図ろうとしているが、そのひとつが今回のリッツカールトンである。

インバウンド需要を活用し、ふたたび日光を滞在型の高級リゾート地に変えようという狙いだが、思惑通りにことは運ぶであろうか。というのもインバウンドはミズモノ、ホテルの高級化により、日光が日本人にとって行きにくい場所になってしまうのではないか心配である。リッツカールトンは日光が開業する2020年にニセコにもオープンするが、既にニセコ界隈は日本人の手から離れてしまったような印象である。

今の状況は幻の東京オリンピック(1940年)の前夜、当時の政府が外貨を獲得しようとインバウンドを国策とし、外国人向けのリゾートホテルを全国各地につくった時代と似ているような気がしてならない。その当時つくられたホテルは既に戦争前夜であったため、外国人にあまり利用されることもなく、戦争が終わって占領軍の専用施設として使用されるようになった。日本人客が利用できるようになったのは、多くが昭和30年頃からであり、徐々に一般・大衆化されていった。

少し話が逸れたが、このリッツカールトン、京都は有名だが、かつてホテルフジタであった場所にある。鴨川沿いの静かな環境で、前のホテルはお手頃価格で管理人のお気に入りであったが今の価格では泊まれない。日光も最低で6-7万円以上になると思うが、上高地帝国ホテルの3倍近くはする値段である。

50年以上かけて定着した日本のリゾートホテル像が崩れかけている。

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