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札幌ドーム命名権売却と公共性

サンケイスポーツによると札幌ドームが、命名権を売却する方向で検討を始めたという記事が出ていた。
施設の命名権を企業などに売却するネーミングライツはここ数年、大流行である。日産スタジアム(横浜国際競技場)、味の素スタジアム(東京スタジアム)を皮切りにこの3,4年で瞬く間に広がり、現在では20施設以上あるらしい。
札幌市や道の命名権売却については昨年から話があった。真駒内屋内競技場や道立体育センターなどが売りに出されたが、成果は芳しくなかったようだ。
いちばん疑問に思ったのが、札幌ドームがどうして売りに出されないかということであったが、理由はドーム自体は黒字であることや、サッカーW杯もやった会場なので「聖域」という意識もあったのであろうか。
しかし、札幌ドームを所轄する札幌市は、赤字続きの財政難の折、歳入拡大が必要である。
このネーミングライツ、売却すれば年間億単位の収入が入る。しかし、安易に売却するのは危険な気がする。
これは民間施設だが、西武ドームは4年前、IT企業のインボイスへ売却、そして、今年からはグッドウイルへ変わる。西武球団では地域密着を目指し、球団名を埼玉ライオンズに変える計画だそうだが、球場名が企業名だとその意義が薄らいでしまって地域密着感がわかない。まだ西武ドームの方が地域性をかんじるが。
余談だが、以前、近鉄球団が大阪近鉄へ球団名を変更し、更には大阪バッファローズにする予定と聞いた時、やっとプロ野球にもJリーグのような地域密着ホームタウン制の時代が到来するかと思った。しかし、実体は球団売却への布石であったが西武もそう疑われても仕方ない。
公共施設の命名権を売却する際は何らかのガイドラインが必要ではないか。
たとえば契約年数、地域に根付いている企業、社会貢献度が高い企業、商品名はダメなど何らかの条件があってもいいと思う。その場合、選定が難しいが該当なければ辞めるぐらいの勇気があってもいいと思う。これまで命名権を買った企業にはイケイケ(死語)のところが目立つ。
もし、大倉山ジャンプ競技場がIT企業に買われたとしたらどうであろう。たとえば「楽天シャンテ、K点135メートル」と聞くと違和感をかんじるであろう。甲子園球場がカタカナの企業に買収されたらどうであろうか(現状では考えられないが阪神が阪急に買われる時代である)。
札幌ドームの場合、北海道に根付いた企業(例:サッポロビールなど)など条件をつけるべきと考える。できれば真駒内や体育センター(ここは道立だが)など他の施設も一括して命名権を与えた方がスマートであると思うが。
プロレスファンにお馴染みの「札幌中島体育(スポーツ)センター」という名称、聞いただけで胸がキュンと来る人も多いのでは。それは40年以上の歴史でつくられたネーミング=記憶=公共地域性だからであると思う。
夕張の場合もそうであるが、売っていいもの、悪いもの、また、そのやり方というものがあるはずである。
金儲けをする前に考えること、できうることがあると思うが。
あまりに不器用、策がなく、世知辛いものをネーミングライツからかんじる。

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