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エアトランセ、北海道から撤退か

函館をベースに道内コミューター便を運行しているエアトランセが道内から撤退しそうだ。
江村林香社長自ら歩く(走る?)広告塔になることで有名であるが、航空業では苦戦が続いていた。
エアトランセは、帯広-函館間に航路の開設を計画していたエアシェンペグスが資金難となり、江村氏が引き継ぎ、ベースを帯広から函館に変えたことからスタートしている。
当初は函館-帯広線からスタート、その後、帯広行きの一部を新千歳経由に変更、2、3機目を導入して函館-女満別、新千歳-女満別線を開設したが、どの路線も低搭乗率であった。
何しろ目まぐるしく変わる路線、週末を中心に異常に目立つ計画運休など公共交通機関としての役目を果たしていないのではないかということを以前、「エアトランセはどこへめざす」という題で書いたことがある。
最初から計画路線や導入機材などに無理があったのではないか。
まず、函館-帯広間はそれほど人の交流がない。関連がある函館新聞と十勝毎日新聞の関係者しか乗っていないのでないかと陰口を叩かれたこともある。新千歳経由便にしても需要が見込めないことは素人でも想像できる。
札幌-帯広間の需要は既に無いことは石勝線の開通でTDAが撤退したのが20年以上前のことである。丘珠空港が利用できない限り、函館-新千歳線も厳しい。
女満別線にしても新千歳-女満別はANAが撤退を発表し、函館-女満別もHAS~引き継いだ路線である。機材もビーチクラフトでは小さ過ぎる。冬季の欠航が増え、その小型さゆえ乗客も不安を覚える。
それでは本州便に活路を見出すかと思ったが、需要予測や空港利用料、燃料費などのコストを考えると今の体力では無理があったのであろう。
今後、道内の函館-帯広線は不定期線として残し、チャーター型になるもよう。残りの機材は那覇をベースに沖永良部など島部への不定期路線として活路を見出すようである。
これで新千歳や女満別からの撤退による会社は大幅にリストラをされる。以前、夢を求めてエアトランセへ飛び込んだ社員たちのドキュメンタリーを放映したいたが、夢が摘み取られるようで残念でならない。
当初からエアトランセの戦略(そんなものは無く場当たりかもしれない)には無理があったことは明白だ。
また、資金援助などのあてもはずれたのであろう。
JALが潰れそうになるこの時代、新参の航空会社はどこも苦戦をしている。法律面の縛りが多すぎビジネスとして成立するのが難しいことはわかるが、エアトランセの場合、どこか地に足が着いておらず、場当たり的であり、「よそ者」が荒らしていったといわれても仕方がないであろう。
*就航初年度の06年3月期決算は売上高約1億5千万円、純損失約7億円。

7日、正式な発表があり、函館-帯広、函館-女満別線は、予約があった場合に運航するチャーター便とし、定期路線の免許は維持することになった。増資もしていることからすぐに北海道から撤退することはなく、活路を沖縄や本州へ見出すようである。

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