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新書[夕張問題]

夕張問題
夕張問題 鷲田 小彌太

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市長選挙が終わり、夕張の加熱報道もひと段落した。この連休前にタイミングよくいちれんの夕張を扱った「夕張問題」(著者:鷲田小弥太)が新書で発売された。
この本を読んで興味深かったのは、戦後、夕張は二人の人間に牽引されていたことだ。ひとりめは、北炭の総帥でフィクサーである萩原吉太郎、もうひとりは、町を「タンコウからカンコウ」に変え、24年にわたり市長であった中田鉄治である。
炭鉱があった頃は萩原に、そして斜陽時代から閉山後は中田にと二人の強烈な個性とリーダーシップによって夕張が仕切られていた。
萩原は政治のドンであり、中田は労使出身と環境が全く異なるが、「中田の精神的・実戦的モデルが萩原であった」とある記述は興味深い。
絶対的な頂点が常に存在したいたため、チェック機能がはたらかず、「王制」のような状況であったのではないか。
この他、炭鉱の歴史や夕張メロンのブランド化の話など、これまで知られていない話も出ており、面白かった。夕張のとなり、夕張郡栗山出身である著者の熱い思いが文章に出ているが、構成がやや雑であり、後半部分はあちらこちらへ話がとんでいるが残念である。企画⇒出筆⇒編集⇒発売までの時間が少なかったのかもしれない。

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