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両備グループの赤字ローカル交通再生事業に注目

最近、無責任な公共交通事業者が多い。このブログでも某ツアーバス会社やコミュータ航空会社のことを取上げてきた。そういう経営者に見てもらいたい番組があった。
テレビ東京系「ガイアの夜明け」(19日22:00~)で、「地域の足を守れ!規制緩和に揺れるバス業界」が放送された。内容は、ツアーバスに押され、地方バス会社にとってドル箱であった高速バスで利益が出せなくなり、そのしわ寄せが地域の路線バスにくる。補助金など出ない路線は、廃止され、規制緩和が地方の衰退を招くといったような内容だ。
番組では、両備グループが取上げられた。この会社は、最近、南海電鉄の貴志川線を無償で譲り受け、和歌山電鉄として「いちご電車」や実在の猫タマが貴志川駅長になるなど話題を提供している。赤字は大幅な圧縮され、黒字も夢ではさなそうな勢いだ。この両備、もともと両備バスや岡山電気鉄道などを率いる岡山の会社であるが、県外の私鉄&バス会社へも積極的に進出している。
番組では、広島県の中国バスに資本参加し、地元へ愛されるバス会社へ変身を遂げる過程を紹介した。中国バスは一度倒産し、地元にもそっぽを向かれたいたが、社員への教育や地域住民へのPRにより、信頼を取り戻しはじめている。
両備グループの小嶋社長の言葉が印象的だ。「路線バスはほっといたらなくなる。しかし、なくしてはいけない」。この「なくしてはいけない」は重い言葉だ。なくすことは、イコール地域の衰退へつながる。それは、まわりまわって自分たちの首を絞めることになる。
地方の路線バスに乗ると、今どき珍しいような乱暴な運転や粗雑な客対応をする運転手に出くわすことがある。窓口の対応などにも問題がある。最近は、都会の方がタクシーも含めてドライバーの応対が総じてよい。路線バス事業者は、サービス業であるということを忘れてしまった事業者が多いのではないか。
管理人はだいぶ前に乗り物とは関係ないが、情報システム系の仕事で両備グループと仕事をしたことがある。その時の印象は、地方の企業とは思えないような先取性があり、スピードが早い会社という記憶がある。
鉄道もバスも廃止を決めるのは簡単だが、地域住民の意思、公益性という観点から、こうした成功例が出ていることも視野に入れ、存続か否かを判断すべきなのではないであろうか。
また、両備の小嶋社長には、是非、成功モデルを確立し、地方交通のあり方を示してもらいたいと思う。
それにしても、ベンチャー系公共交通事業者の経営者は、人間が本来備えていなくてはならない何かがひとつ抜け落ちている気がする。乗り物の世界だけではないが、いつからこういう「劣化」がはじまったのであろうか。

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