*

旅ガイド&タウン誌が生き残る道「大通ウォーカー」と「すきタン」の例から

旅行、情報ガイド誌やタウン誌は、ネット情報に圧され、苦戦が続いている。旅行雑誌のいくつかは、廃刊になったり、内容を大幅に変更している。また、タウン誌は旅行雑誌以上に台所が苦しく、風前の灯火である。「ウォーカー」のような中央メディアの進出、ネットの普及、地方経済・文化の衰退などが重なり、今では「ウォーカー」でさえも部数が激減している。
先日、札幌・大通地区の飲食店や、ファッションビルなどの情報を満載したガイドブック「大通ウォーカー」が、「北海道ウォーカー」を発行する角川クロスメディア北海道支社から出版された。
この雑誌は、JRタワーが開業して以来、札幌駅前地区に客足を奪われている大通地区が、巻き返しに向けて動き出し、そのよさを訴えようと発売されたものだ。
 最近、「大田区ウォーカー」、「るるぶ相模原市」など観光地といえない場所や狭いエリアを扱った”ご当地情報ガイド”が増えており、そこそこ売れているようだ。「散歩の達人」(首都圏限定)もそうだが、都市部のローカルな地名を冠し、グルメやレジャーから街の歴史まで、意外と知らない地元の穴場情報を網羅しているのものが増えている。
ケースにもよるが、大田区や相模原などは、行政からのバックアップ(制作費持ち)で作られているはずである。景気の悪い出版社にとって悪い話ではないし、情報の切り口としても面白い。「大通ウォーカー」がどういったシステムで発行されているか知らないが、恐らくお金が出ていると思われる。
また、タウン誌の老舗「すすきのTOWN情報」が、風俗関連の情報や広告をやめた。同誌は、1979年12月に創刊され、現在は公称8万部。当初は確定申告の方法など、すすきのの飲食業界向けの情報を載せていたが、飲食店を紹介する記事も掲載するようになり、次第にススキノ総合ガイドの体裁を整えた。
しかし、バブル崩壊で雑誌広告が減り、不景気でススキノの雑居ビルは風俗だらけになってしまった。また、その頃から道外の性風俗情報誌が北海道へ上陸、今でも書店へ行くと「すきタン」と並んで、大判でカラフルな風俗情報誌が並んでいる。
「すきタン」の魅力は、ススキノ文化を伝えているところにあったが、風俗広告と記事が増え、魅力がないものになってしまった。たまに手を取ると、これまでの路線を守りたい意地と背に腹は変えられない現実の苦悩が誌面からも伺い知れた。
女性社長の平野たまみ氏は、コンビニエンスストアが風俗誌の販売を自主規制するようになってきたことも踏まえ、思い切って風俗情報・広告の掲載中止を決めた。
そして、盛り場情報の原点に返り、「大人のための雑誌」に切り替えるとことにした。管理人はこの英断に拍手を送りたい。
今から20年近く前、初めて訪れた札幌でどこへ行っていいのかわからず買った情報誌が「すきタン」だ。その中に新規開店情報があり、オススメ印の郷土料理店とシャンソンが聴けるスナックに飛び込みで入ってみたが、2軒とも大正解であった。
以前はよく購読していたが、風俗記事が増えてから、遠のいてしまった「すきタン」。もう一度、大人が楽しめる街に戻ってほしいものだ。そして、雑誌の第二創刊に期待する。
旅行、情報ガイド誌、タウン誌の置かれている状況は依然厳しいが、読者ニーズを読み取り、質の高い情報が提供できれば生存は可能であると思う。紙のよさも捨てたものではない。頑張れ、地域情報誌。

 - すべての記事一覧, 書籍紹介