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究極の鄙び系・かつての栄華が偲ばれる東鳴子温泉・旅館田中温泉

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写真上:田中温泉湯治部 昭和29年に完成した時はそのモダンさで大変な話題だったらしい
中:昼でも薄暗いロビー 下:大浴場脱衣場 椅子がいい
今回、鳴子には3日間滞在したが、東鳴子温泉の田中温泉に日帰り入浴で2回訪れた。この田中温泉、お湯はアブラの香りがしてヌルヌル感満点。このお湯は大のお気に入りなのだが、建物もまた味わい深い。今回は館内や外回りをじっくり写真に納めてきた。
何しろ田中温泉は平安時代からあるらしい由緒正しい温泉である。今は総称で東鳴子温泉とこのあたりのことを言っているが、少し前までは「田中温泉」と言っていた。事実、バス停の名称は「田中温泉前」である。また、古い旅行ガイドを見ると鳴子や松島の定期観光バスは田中温泉始発となっている。さぞや賑わっていたことであろう。
と、書くと今はどうなのか。これはとんでもないことになっている。「鄙び系」などというぬるい言葉では済まされないが便利なので使わせてもらう。
広大や敷地には江戸時代末期(?)に造られたらしい旅籠跡廃墟、昭和29年頃新築された当時は超モダンであったであろう湯治部、そして旅館部とあり、いくつ客室があったかわからない。客室の大半は廃墟化しており、今はごく一部しか使用されていない(できない)。なかには雪が積もっている部屋があった。
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写真上:古い病院のような廊下 中・下:使われていない湯治部客室 床が抜け床下は雪面であった
風呂は昔は超モダンであったであろう混浴大浴場、女風呂、貸切風呂が3つ、ここまでは200円で誰でも入れる(安い)。この他、旅館部にも風呂が3つか4つあるが、泊り客は殆んどいないようである。
ここの特長は電気がついていないので昼間から真っ暗であることだ。夕方に訪ねた時も電気が付いていない!!混浴大浴場も脱衣場も暗闇で、照明スイッチを探すのに苦労をしたが、何とか混浴大浴場に入るとお婆さん4人組が民謡を唄いながら2組づつで背中を流し合っていた。
円をくり抜いような不思議な形の浴槽では、お爺さんがひとりこれまた「大漁節」を唸っていた。暗く、湯気で顔や姿もはっきりわからないが、何だか不気味で、怖くなってしまい湯船には浸からずにすぐに出た。そして、着替えるのも面倒なので、籠を抱えて、裸で廊下を歩き(人もおらず暗闇なので大丈夫)、近くの貸切風呂に入った。風呂の窓を開けると江戸時代末期の旅籠廃墟が目の前に現われた。
田中温泉はワンダーランドである。真面目な話、維持だけでも大変であろうし、お兄さん(ご主人)とパートのおばさんだけで切り盛りしているようである。名物であった受付のおばんさんは身体を壊されて辞めたらしい。いつまでも続けてもらいたい田中温泉旅館である。残念ながら今回も宿泊する勇気がなかった。次回こそ。
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写真上:江戸時代末期のものといわれる旅籠廃墟 中:家族風呂 下:混浴大浴場

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