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鶴雅・大西氏の語りから北海道観光の矛盾がみえる

新函館北斗駅から近い大沼公園(七飯町)に昨年8月、グループで道南初進出となる滞在型ホテル「大沼鶴雅(つるが)オーベルジュ エプイ」をオープンしました。半径50マイル(約80キロ)圏内から選び抜いた食材を使った料理などが売りです。北海道新幹線の開業効果は期待以上に大きかった。もともと函館は「行ってみたい都市ナンバーワン」。それが開業と重なり、お客さまが大きく増えました。(3/21付朝日新聞

新幹線開業を機に初めて道南に進出した鶴雅グループ。鶴雅HD大西社長の気になった発言を抜粋してみた。
1.「函館ブームは今年いっぱいまでは続くとみていますが、ブームがいつまでも続くわけではありません」。
2.「函館に来たお客さまを鉄道など陸路で道東・道北へ集客するのは、時間がかかり、難しいことも分かりました」。
3.「北海道観光の悩みは、国内客が減り続けていることです。人口減に加え、中間層の可処分所得が減っているのでは、と感じます」。
4.「今後は急速に、一つのところに2~3連泊して楽しむ「滞在型」に変わっていくと思う。そのためには、例えば、和・洋・中それぞれの料理を選べることが重要です。どのホテルも似たようなバイキングの食事では、いずれ飽きられてしまいます」。

まず、1と2は概ね想定内である。ホームタウンである道東への集客も頭の片隅にあったであろうが、函館・道南エリアとは同じ北海道と云えども別ものと考えた方がよいであろう。重要なのは3と4である。今はインバウンドと新幹線景気で何とか潤っているが(あくまでも限定的)、国内客が減り続け、中間所得層が減っていけば未来は暗い。かつては国民の9割が中流意識を持っていたが、今では半分以下であり今後、旅費のかかる北海道旅行はLCCなどによる格安海外旅行の影響もあり、ジリ貧になる可能性がある。

記事で、大西氏は北海道旅行が周遊型から滞在型に変わっていくと述べているが、これはかなり希望的な観測ではないか。
北杜の窓が2004年にスタートをした時、北海道観光は点と点の1泊づつの物見遊山周遊型から滞在型に変わる→そうしなければ未来はないと挨拶文で述べたが、そのスピードがあまりに遅すぎ、それは幻想ではないかと最近、管理人は思うようになっている。大西氏はホームタウンの阿寒湖を滞在型にするべき活動をされているが、仕掛ける側と消費者の間にニーズのかけ違いのようなものがある気がする。
「大沼鶴雅オーベルジュ エプイ」はJR系の「クロフォードイン」を改装したものだが、クロフォード時代に較べると料金は3倍近くに上昇、管理人は前宿時代に何度も泊まり、連泊もしているが、今の料金での連泊滞在は中間層と云える人たちには難しい金額であろう。大西氏には中間層の滞在に見合うような宿泊施設をつくっていただきたいが。

また、バイキングから和洋中が選択できるのような宿が理想であるが、今は全国的に見てもそういった宿が減っている。以前はリゾートホテルの多くに複数の飲食施設があったが、最近は一か所でバイキングが増えている。
食事ひとつみても理想と現実が伴っていないのが現状ではないか。
たとえば洞爺のウインザーホテルが団体様御用達となり、ニセコのウインザーの3,4倍もするようなコンドミニアムが外国人で埋まる。歪な二極化が進んでいるおり、不確定要素が多く、先行きがきびしい北海道観光である。

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