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ばんえい競馬が舞台 「雪に願うもの」を見て

週末、久しぶりに邦画を見た。ばんえい競馬を舞台にした『雪に願うもの』である(道内は4月に先行ロードショー)。
詳しいストーリーなどについては公式HPを見ていただきたいが、一度は故郷を棄てた青年(伊勢谷友介)と兄(佐藤浩市)の不器用な対峙と兄弟愛をばんえい競馬の厩舎を背景に描いている。人生の居場所を失った青年が自分と同じように崖っぷちに立たされてしまうウンリュウという馬に巡り会い、再びスタートラインにつく物語である。
前評判の高い映画であったが見ての感想は意外に凡作であった。人物設定、心理描写などが中途半端、兄弟関係も型にはめられ過ぎており、豪華な脇役陣も含め活かしきっていない印象を受けた。テレビドラマの延長線レベルであり、根岸吉太郎監督の作品としては評価が低いのではないか?
評価が分かれるところであろうが、見終わって印象が薄い作品であった。
原作は帯広在住の作家・鳴海章の小説「輓馬」。2000年に公開されたロードムービー『風花』に続く作品だが、前作では相米慎二監督がメガホンを取り、「輓馬」を読んだ相米監督が映画化を希望していたが、2001年に他界。根岸吉太郎監督がその遺志を引き継いだ。
『風花』で新境地を開拓した小泉今日子が再び厩舎の賄いの役で出演していたが、彼女の空気のような存在感が出ていなかった。
廃止も検討されている「ばんえい北海道競馬」であるが、この映画で多少のPRになったであろうか。
ばんえいは10年以上前に岩見沢で見たことがある。馬体重と同じぐらいのハンディを背負いながらのレースは壮絶であり、先入観としてあった動物虐待のイメージとは異なり、見応えがあるものだ。
道東で細々と行なわれている草競馬(ギャンブルではない)とばんえい競馬は北海道開拓の歴史そのものである。つきなみの言葉だがいつまでも残してもらいたいものだ。

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