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上越新幹線と越後湯沢 リゾートマンションの再生を考える

1月15日で上越新幹線が開業をしていから丸35年を迎えた。この日経記事(11/16付コラム)には沿線の明暗が紹介されているが、越後湯沢駅周辺に林立するリゾートマンションについて話してみたい。

開通をした1982年(昭和57年)は、6月に東北新幹線が先行開業(当時は大宮駅が暫定発着駅)、それから少し遅れて誕生したのが上越新幹線であるが、当時の記憶では、大動脈の東北新幹線開通は理解できるが、優先順位からいえば北陸や九州が先であり、どうして上越が先なのかと論じられていた。云うまもなく、ご当地の英雄・田中角栄氏の悲願であり、並行するように走る関越道も上越新幹線が開業する前から工事や部分開通が進んでおり、全国の高速道路の中でも早い時期からの計画であった。
浦佐駅前には角栄氏が「よっ!」と手を上げる銅像があるが、ロッキード事件の後とはいえ、地元では大英雄であったのであろう。

さて、上越新幹線は同じ新潟県内を走る北陸新幹線が開通したことで地味な存在になってしまった印象だが、在来線時代と較べ、豪雪に悩まされることがなくなり、そういった面でも新幹線の経済効果は大きかったであろう。
特に首都圏から近い越後湯沢(湯沢町)は、以前から多くのスキー場があったが、新幹線の開業で僅か東京から75分で行けるようになった。ゲレンデは駅近くに集まっており、関越道のICも至近、勿論、豊富な温泉もある。
その利便性もあってか1985年(昭和60年)頃からリゾートマンションが建てたれるようになってきた。

バブル期のピークであった1988年は資料によると、この年、全国で売り出されたリゾートマンションの総戸数が11,564戸、その1/3以上の3,912戸が湯沢町に集中している。当初、計画された総戸数は83棟だったそうであるが、最終的には58棟、14,695戸とあり、バブル期の凄まじい建設ラッシュが伺い知れる。

当時、私の勤めていた会社や自宅に、湯沢でマンションを買わないという勧誘電話が頻繁にかかって来ていた。だいたい2千万円程度の物件が多く、それも2軒買わないかと誘う。どうして2軒かというと、価格が2倍に上昇するので、そのタイミングで1軒を売る。そうすればもう1軒はタダということになるので是非というセールストークが20代半ばの私に来ていたものである。

その後、どうなったかは皆さんに説明する必要はないであろう。リゾートマンション群はゴーストタウンとなり、値段もあってないようなもの。2,30万円程度の物件もザラにあり、駅周辺の不動産屋を覗くと、目を疑うような現実が見えてくるものである。湯沢にマンションが建つ前に同じ町内の苗場スキー場がゲレンデ脇にマンションを建設、1980年頃かと思うが、そこには私も憧れたものだ。しかし西武が造成したそれらのマンションは今はワンルームなら10万円程度である。
ならば買いかというか、そういうものでもなく、修繕費や管理費を長期に亘って払っていない物件も多いので現実的には数百万円クラスの物件を買った方が無難のようである。

いまだバブルの負の中にいる湯沢町だが、温泉の方も客足が伸びていないようだ。たまたま11/23-26日の飛び石連休に温泉でも行きたいと思い、各地の空き状況を調べてみたが、おもな温泉地やそれなりの宿は概ね満室。ところが湯沢は空きが多く、それも老舗旅館といえるところも空室がある。東京からも近く、どうしてこれほど人気がないのか不思議である。

記事によると同町では温泉旅館などへの影響を考えて、民泊を規制したいということだが、折角、空いているマンションを有効活用すれば、外国人観光客も増えるはず。
既存の宿泊施設から見ればリゾート・マンションの民泊は、死活問題であるが、このまま廃墟にしてしまうには勿体ない気がする。
一案であるが、リゾート・マンションでの民泊は、周辺住民や管理組合とのトラブルが多いので、たとえば1フロア丸ごと地元(町や観光協会など)が買い取ってスタッフを配置させ、バブル期のリゾートによくあったホテルとマンションが同居する形態へ改装できれば観光客を増やし、地元にも還元できるのではないかと考えた。
地場の宿泊業者やリネン企業などであれば清掃や地域との調整などスムーズに出来るのではないか。

湯沢は5月連休までスキーも可能であり、温泉も豊富。アウトドアやゴルフなどスキーシーズン以外でも楽しめるので第二のニセコ的な道もあるはずである。
ニセコでは湯沢ほどではないが、何軒かバブル期に建てられたリゾートマンション型の施設があり、復活している。

地元がリゾートマンションの一部を安く買い取って、運営も地元がやる。このようなビジネスモデルをあってもよいかと思うが。

1970年後半から建てられた苗場スキー場のマンション

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