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室蘭-直江津-博多便フェリー、観光需要を探る

東日本フェリーを運航する海運会社のリベラ(広島県呉市)が、不採算の室蘭-直江津(新潟県)-博多(福岡県)航路に寄港地の追加を検討している。九月にも金沢(石川県)、境港(鳥取県)の二港に寄港して、乗船客へのアンケートや観光セミナーなどを行い、需要を探る。 (北海道新聞)
東日本フェリーは首都圏、新潟、青森と北海道間を結ぶ多数の航路があった(以前は三厩、大畑、野辺地などからも就航)。青函間のジェットフォイルや高速フェリーの運航、九州・博多と新潟・直江津(子会社の九越フェリーが就航)、さらに室蘭までを結ぶ現代版・北前船の就航など拡大路線を取っていたが、経営が破綻し、現在はリベラという海運会社が支援をしている。
その後、航路はリストラ策で削減され現在は7航路を運行するが、2隻体制で週3回運航の室蘭-直江津-博多間の需要開拓が最大の課題であり、東日本フェリーが経営破たんする要因にもなっている。
東日本フェリーは同じ日本海航路を持つ新日本海フェリーと比べ、トラックなど物流比重が多く、一般の利用者は少ない。新日本海フェリーはどちらかというとクルーズ志向であり、豪華な船内設備を誇っているが、東日本フェリーは客室、船内設備を含め地味である。
また、合理化により特等や1等客室を廃止したことも一般利用者を減らしていると思う(最近は上級客室を復活させている)。東日本フェリーと新日本海フェリーを乗り較べると旅客に力を入れていなかった会社の違いがよくわかる。
今回、境港、金沢に試験的に寄航をする。観光利用を当てこんでのものだが新日本海フェリーや太平洋フェリーと比較すると困難も予想される。北海道基点で考えた場合、船中2泊となり、金沢着が早朝、境港が昼前後になり、乗船時間が金沢で30時間を越える。
また、客室や船内設備が長時間の船旅に耐えうるほど充実していないので退屈であろう。船体もやや古小さく、新日本海フェリーと較べると半分程度の重量である(約1万1千トンと2万トン)。
時間と設備面の問題をいかにクリアし快適な船旅が提供できるかが観光需要を呼び込むためのカギである。
北海道ではクルーズ旅行に力を入れている。シニア層だけではなく、若年層のフェリーへの呼び込みなど気軽に乗れるフェリーの価値を見直すべきだ。また、フェリー会社も発想の転換が求められる時である。
 

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