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「奥尻ワイン」の生産を開始、ブドウ栽培に適している地域なので新たな特産品として期待

道南の奥尻島で地元で収穫したブドウを原料にしたワイン生産を来春から始めることになった。事業主の海老原建設は今月末、奥尻町湯浜にワイン醸造工場を着工。9月中旬に完成予定で、初年度は赤と白ワインを合わせて6万本を生産する。5年後には30万本まで引き上げる計画と12日付け日経新聞などが伝えている。
海老原建設では8年前から島内でブドウ栽培を開始。現在、20ヘクタールの農地にフランス系品種のメルローやピノ・ノワールなどを育てている。このうち、道内でメルローを栽培するのは珍しいという。輸入原料は使わず、島で栽培したブドウだけで醸造する。価格は1本1500円以上になる見込み。
ワインの醸造・販売はグループの農業生産法人、奥尻ワイナリーが担当する。
奥尻島でワイン生産というと意外な印象を受けるかもしれないが、檜山地方は隠れた良質ブドウ&ワインの産地である。奥尻島でワイン生産を計画している話はだいぶ以前から聞いていたが、道産ワインに多いドイツ系の品種ではなく、メルローやピノ・ノワールが栽培できるのも気候がなせる業である。
以前、乙部町にある富岡ワイナリーを訪ねたことがある。「乙部ワイン」、「富岡ワイン」、「遊楽部ワイン」などのブレンドのほか少量ながら山葡萄のワインも生産しているところだ。ここでもフランス系の品種を栽培、メルローや日本では数少ないカベルネ・ソビニオンなども生産している。
ワイナリーオーナーの飯田氏は隣町の熊石出身、ワインに魅せられ有名新聞社から脱サラ、開業された方だ。飯田氏は「温暖化により北海道南部ではこれまで栽培できなかったブドウが栽培できるようになった。100年前、甲州がワイン用ブドウ生産に最も適しているということで選ばれたが、今の檜山の気候が当時の甲州に似ており、国内でワインを生産するには非常にいいところ」と話されていた。
奥尻島は乙部町の対岸であるが、どんなワインができるのか楽しみであり、新たな島の特産品としての期待が持てる。輸入の混ぜ物を使わないというのも頼もしい。
富岡ワイナリー訪問記はこちら

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