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インバウンドの弊害?日本人の京都離れは国内旅行の危機 

京都市内の主要ホテルに宿泊した日本人の実人数が、2018年12月まで21ヶ月連続で前年実績を下回ったことが分かった。ホテル関係者の間では、訪日客の増加で市内の観光地が混雑するようになったのが大きな要因だという見方が多いようで、日本人の“京都離れ”への懸念が高まっている。(3/4HOTELERより)

衰え知らずのインバウンドであるが、インバウンドなる言葉が知られる遥か前から外国人客で賑わっていた元祖・国際観光都市である京都市。最近では増えすぎた観光客による”観光公害”が問題になっているが、2018年度、外国人客宿泊客が占める割合も2018年は43.9%と日本人と拮抗して来ており、逆転も充分に考えられる状況である。
日本人客からみれば京都=ホテル混雑=高いが先入観として出来上がっており、そのあたりも国内客の京都離れの一因であろう。実際はホテル建設ラッシュにより、意外なほど空いており、宿泊予約サイトで調べればわかるが、料金も平日であればかなり安いのが今の京都である。客室稼働率も観光客数が増えているにも関わらず、2017年から低下している。ホステル系も含めると毎月80軒以上の宿が新規に誕生し、需要と供給のバランスが変ってきているからである。

京都に限らず、日本人の観光地離れは、たとえば飛騨高山や富士山周辺、スキーリゾートのニセコ、白馬などインバウンドで賑わっている場所で顕著に表れている。また、全国の大都市部でもインバウンド需要が比較的少ない名古屋を除けば同様なことが起きており、ビジネス利用では深刻な問題となっている。
料金の高さ以外にも周囲が外国人ばかりであると「居心地の悪さ」も出てくる。既にニセコは外国人の方が多く、サービスの基準も日本人から外国人へと変り、租界状態になっている。宿泊客の占める割合で外国人が3割ぐらいを越えた段階で、日本人客対策を打たないと日本人離れが進むのではないか。

観光庁が2018年度の「旅行・観光消費動向調査(速報)」を発表したが、そこにもインバウンドの弊害とも思えるデータが出ている。管理人が興味を持ったのは国内旅行消費額は減少している反面、1回あたりの旅行費用は上がっている点である。消費額が減っているのは、実質賃金が下がっているのだから当然のことだが、旅行費用が上がっているのは、インバウンドによって宿泊施設の料金が上がっていることが大きいのではないか。
あらためてインバウンド振興が結果的に日本人の国内旅行消費を落としていることが伺える。旅をしたくても高くて行けない。それでなくても平日休暇が取りずらい我が国では休日やGW、お盆などに一極集中して、価格を釣り上げている。

国内旅行消費の8割は日本人である。しかし、今は稼げる残りの2割に目がくらんでしまっており、観光の空洞化が起きかけている。増え続ける外国人客と値上げ、そろそろ国内客のことを考えないと、とんでもないしっぺ返しが来るであろう。

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