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罪が大きい東日本フェリー(リベラ)とエアトランセ

東日本フェリーの国内フェリー事業撤退の陰に隠れているが、同じ函館を基地にしているエアトランセも本社機能を今月から東京に移していた。当初は1000億円売上げを目指す女性社長誕生ということで話題になったが、場当たり的ともいえる路線の就航と廃止(休航)の繰り返し、挙句に沖縄や大分、函館-仙台間のチャーター便に活路を見出したが、どれもが三ヶ月程度て撤退。機材の差押さえや融資の焦げ付きによるハコセンの倒産など数々のネガティブな話題を提供してくれた。
これまで拙ブログでエアトランセについては厳しく書いてきた。北杜の窓の方針としてイエローメディア的な人様の悪口や無責任な批判は書かないことにしているが、あまりにも無計画で、公共交通事業者としての意識が欠如するエアトランセに対しては糾弾したこともあった。最近はコミューター会社として機能しておらず、記事にする気もなかったが、東日本フェリー撤退のニュースを聞いて、両社に共通点が多いのでちょっと触れてみたい。
今回、偶然(?)にも函館をベースにする両社が撤退する訳だが、共に乗り込んで3,4年程度であり、かき回すだけ掻き回しての退散である。それぞれ思惑外れもあるであろうが、共通点はマーケティングの甘さである。素人目にも函館発着の道内コミューター便が成功するとは思えない。道が支援しているHACでさえも大幅な赤字である。日本でまだこのジャンルで成功した会社は存在しないのだ。道内限定で地道にやっていれば風向きも変わったかもしれないが、エアトランセ自ら不信感を招くような行動をしていた。
東日本フェリーには好意的に書いてきたつもりだ。道南、青函地域の活性へ貢献してくれると踏んでいたからだが、マーケティングの甘さは昨年9月の高速船就航時からかんじていた。リソースを高速船に集中させたことは再建中の企業にとって大きな冒険である。リソースを集中させること自体、企業の再建・効率経営へ向けたセオリーではあるが、その背景を読み違えていたと言わざるを得ない。エアトランセもそうだが、市場調査が非常にあまい。
東日本Fに関しては、背後にGSなどのハゲタカがおり、高速船売却を狙った計画的な撤退ではないかという噂もある。管理人のヨミでは1隻目就航時は青函航路に社運を賭けたが、伸びない利用者と燃料高で既に発注していた2隻目就航前には方向転換、単なる引取り手探しのデモンストレーション航海ではなかったか・・・・どんな背景があるにせよハイリスクな行為であり、結果的に東日本Fには「庇を貸して、母屋を取られた」かたちになった。罪は重い。
エアトランセの社長のブログを読んでいると道内メディアや北海道財界への不信感がよく出てくる。社長自ら不信感を招く事業展開をしていたので仕方がないのだが、道外からやって来て、それも札幌ではなく、函館ではきつかったであろうとその部分だけは同情する。管理人も函館で仕事をしていたが、歴史があり、ハマの函館は閉鎖性が強く、やりずらかったには違いない。経済も長期低迷する函館での「起業」はやはり無理か。結果的にはお互いを不幸にしてしまった。
不幸なのは大空に憧れてエアトランセに就職したスタッフ、同様に高速船に憧れて東日本フェリーに入ったクルーである。就職の機会に恵まれない地域に、失業者を増やしてしまう結果になった。

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