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アイスホッケー西武の撤退、今だからこそ裾野を広げた国内リーグの充実を

アイスホッケー界の名門、西武(国土計画アイスホッケー部)が、今季を最後に廃部することが18日、明らかになった。17日のアジア・リーグ、ハルラ(韓国)戦で敗れた後、チーム首脳陣から選手には廃部の方針であることが伝えられた。この日、アメリカンフットボールの日本社会人Xリーグのオンワードもチームの解散を発表。金融危機に端を発した景気悪化が、スポーツ界を直撃している。(12/19付 日刊スポーツ

西武の廃部は景気悪化もあるが、堤カラー排除もあるのではないか。日本のアイスホッケーの歴史は堤義明と共に歩んでいる。オーナーが大のホッケーファンであり、日本リーグは堤なくして運営は成り立たなかった。野球の西武ライオンズよりも西武鉄道とコクドを愛し、アイスホッケーだけではなく、スケート競技全般、アルペンスキーの世界選手権やW杯の国内開催(すべてコクド系スキー場だが)、長野五輪開催を始め、彼の絶大な政治力で日本開催にこぎつけたものだ。
堤は日本の冬季スポーツや五輪を私物化していたが、アイスホッケーの日本リーグが40年も維持できたたのは彼抜きでは考えられない。そのドンが西武から去り、会社としてはアイスホッケーを残す意味がなくなった。プロ野球の方も「埼玉西武ライオンズ」となり、地域密着を打ち出しているが、実際は負担軽減であり、願わくば売却も視野に入れているからであろう。
かつてプロ野球の近鉄が「大阪近鉄」に名称を変え、さらに近鉄ブランドを外すと発言をしていたが、今思えば球団売却への布石であった。近鉄の場合はラグビーは廃部にしておらず、最近強化もしているので、こちらはシンボルとして残すのであろう。
来シーズンからアジアリーグはどうなってしまうのか。西武の受入れ企業はあるのか。日光アイスバックスのようなクラブチームでやっていくのは現在の経済状況では困難である。唯一の東京のチームなので何としても残ってはもらいたい。アイスホッケーは裾野が狭い。苫小牧・釧路出身が中心で、あとは日光や八戸など限られた場所でしか盛んでない。
スペクテーター・スポーツとしてのアイスホッケーは面白い。最近はテレビ中継が殆ど無いが、バスケットが地域スポーツとして盛り上がっている折、発想の転換も必要だ。予算がかかるアジアリーグをやめて、地域密着型のリーグ戦は組めないか。たとえば北海道は札幌・苫小牧・釧路、本州は八戸・日光・東京・関西などにホームタウンを置く。リンクの確保、スポンサー獲得、限られた選手層など課題も多いが、裾野を広げる意味でも国内本格的なリーグが必要である。新潟アルビレックスのような地域総合スポーツとして出来ればいいが(たとえば月寒ホームのコンサドーレ・Iホッケーチームなど)。
そのためにも道内の2チーム、王子イーグルスと釧路クレインズのリーダーシップに期待する。撤退したら日本のアイスホッケーはガタガタになる。新しい発想の国内リーグが再生への道だ。

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