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先進事例である鹿部町の団塊移住

口の約1割を首都圏などからの移住者で占める町がある。渡島支庁鹿部町。民間企業が別荘地として開発したリゾート地に、道外から定住する人が相次ぎ、現在約500人。人口減少対策として道内の自治体が力を入れる「移住」の先進地だ。だが、移住者の多くは高齢者。税収増はあまり期待できず、医療や福祉などの住民サービスは充実が求められるなどの課題もある。(朝日新聞)
鹿部町のダイワハウスが運営するリゾート地に移住者が多いという噂は5,6年前から聞いていた。私も仕事の参考になればと現地を訪ねたことがある。敷地内にはリゾートホテル、温泉、ゴルフ場など揃っているが自動車は必須であり、函館まで出ないと買い物らしい買い物はできない。
よくぞこの場所に作ったというのが率直な感想であるが、開発から30年以上が経過した現在、484人が住民票を移し、「町民」として生活をしている。鹿部の人口が4884人(2005年時点)なのでちょうど10%が移住者ということになる。
鹿部は歌手の鳥羽一郎や作詞家の星野哲郎が名誉町民でわかるようにベタな漁師町である。浜文化と移住はミスマッチのような気もするが、移住者の大半がシニア層であり、終の棲家として購入しているようだ。これまで地元住民との交流が希薄であるなどの問題もあったが、移住人口が増えるにつれ意識の高い移住者も増え、現役時代のスキルや知識を地域で教えている人たちもいる。
移住者が鹿部の人口減をカバーしている格好であるが年金生活者であるため税収はあまり期待できない。ひとつ間違えるととんでもないことになる危険が孕んでいる。
鹿部の場合、別荘地なので独立したかたちになり、周囲と断絶をしてしまっているのが気になるところだ。これから移住を考えているシニア層、移住で地域活性を計画している自治体の担当者は鹿部を訪れると参考になるであろう。
似たような事例としては茨城県の大洋村(現鉾田市)の開発がある(こちらは複数の小デベロッパー)。

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