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丸井今井の民事再生、道内地方都市の衰退に拍車をかけるか

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釧路では丸井閉店後に入る予定であった商業施設「kute」だが看板のみでオープンされていない

丸井今井が29日、民事再生法の適用を申請した。昨秋以降の急速な個人消費の冷え込みで、販売不振に拍車がかかり、法的整理の選択に追い込まれた。記者会見した畑中幸一社長は「長引く消費不況で経営は芳しくなかった」と明かした。販売回復の見通しが立たないなか、金融機関との交渉も難航。資金繰りに行き詰まった。(1/30付 日経北海道版)

予てからその噂はあったが天下の「丸井さん」も民事再生の羽目になってしまった。バブル期の無理な投資による出店や他事業への参入計画で火ダルマに。1996年に創業家一族は追放されたが、後押しをしていた拓銀が1997年にまさかの破綻。結局、その後遺症を引きずったまま今回の事態を迎えた。
その間、大丸の出店などで中心街が大通周辺から札幌駅へ移動、若者や女性客離れが進んだ。マーチャンダイジングに秀でた伊勢丹中心による再建支援が始まり、最近では「ジュンク堂書店」の出店など頑張っている印象はあったが、この百貨店不況では埒(らち)があかなかったであろう。
思うに北海道の長いトンネルは未だに”拓銀ショック”から抜け出せていないのではないか(北洋の大赤字も間接的には関与している)。
今後、丸井今井はどうなるか。これで伊勢丹色がさらに強まることが予想される。札幌店以外(函館・室蘭・旭川)は閉鎖になるであろう。これまで何度かこのブログで百貨店の閉店が地域経済に与える影響について書いてきたが、先に閉鎖された苫小牧、小樽、釧路などは中心街の空洞化に拍車を掛けている。函館(五稜郭)、旭川駅前にある2店舗はまだマシの方だが、こちらも閉まれば同じ運命を辿るであろう。五稜郭は西武、つい最近には「グルメシティ」が最近閉まったので危機である。
百貨店ビジネスは流通がこれだけ多様化した現在、地方、都会に限らず大変難しい局面を迎えている。「百貨」というこれまでの役目は終わっていると云っていいであろう。しかし、地域コミュニティや文化面、勿論雇用も含めて無くしてはならないものだ。
帯広ではローカルながら地場の「藤丸」が健闘している。これは地域に根付き、愛されている証であり、十勝の農家の奥さま達は、藤丸で農閑期にブランドものを買うのがステータスだと聞いたことがある。昨年、丸井今井が閉鎖され百貨店が街から消えた釧路では、藤丸への送迎バスが運行され、乗り切れないほどの盛況であった。地元への愛着が強い十勝ならではと云える部分もあるが、百貨店を街のランドマークとして地域全体で応援できれば生き残ることは可能である。
これで札幌店は「伊勢丹丸井札幌店」になってしまうのであろうか。伊勢丹は好きなデパートであり、素晴らしい商品構成力を持っているが、地域に愛される百貨店として残ってもらいたいと祈るのみである。

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