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高速バスも値段とサービスが2極化の時代か、定期路線VSツアーバス

1/29の朝にオンエアされた「朝ズバ」(TBS系)で、夜行高速バスが取上げられた。「深夜バスの豪華シートが大うけのわけ」というタイトルで、最近、競争が激しい定期路線高速バス(許可制高速バス)とツアー高速バス(募集型企画旅行バス)各社が豪華な座席で競い合っているニュースを報じた。
最初に「深夜バス」という表現、酔客ご用達の「深夜急行バス」を連想してしまう。やはり、夜行か夜間というべきであろう。
番組ではツアーバスの雄「ウイラートラベル」の2階建ベンツバスがTBS敷地に乗り入れ。1階席にある4席のみの豪華席「エグゼクティブシート」をリポーターが紹介した。同時に番組内ではJRバスの「プレミアムシート」も紹介。こちらも2階建バス1階部に4席のみの設置であり、競合する東京-大阪便の場合、JRが9,910円、ウイラーが9,800円とほぼ同額。これまで安さのみがウリだったツアーバスも付加価値サービスによって底上げを図っている。
この豪華シート、管理人も験しに乗ってみたく、東京-大阪間に運行されるJRバスの「プレミアム昼特急」に予約を入れたが、満席日が多く、予約が取れなかった。昼行便の場合、料金がさらに安くなり、7,300円で乗車できる。新幹線を利用することを考えれば、特等席でもかなり安く、時間のある人にはいいであろう。こういった座席に人気が集中するのは、”プチ贅沢”に市場があり、窮屈だが安いのが取り柄という最近の高速バスに一石を投じている。
こういったゆとりがあるシートは最近登場した訳ではなく、高速バスでは老舗路線ではる品川-弘前の「ノクターン号」では、10年ほど前から設置されているがこちらは通常のバスの後部座席にある。また、距離が短い「上州めぐり号」(JRバス関東)でも500円追加で乗れるG席を設けている。
こういったプチ贅沢ともいえるささやかDX市場があるのは、JR東日本の首都圏中距離路線に連結されている「普通グリーン車」(もともとは東海道・横須賀線のみであった)やJALの「Jシート」(JASのレインボーシートの流れをくむ)の利用率の高さをみても頷ける。
”高級化路線”の方に話題がいったが、定期路線高速バスとツアーバスの間で値下げ競争も激しくなっている。需要が高い東京-仙台便では、ツアーバスが3千円程度なのに対し、路線バスは普通運賃で6千円以上はしていた。口コミでかなりの利用者がツアーバスに流れており、危機感を持った路線各社は最近、期間限定で割引をしている。たとえばJRバスでは昼行が3,000円(4列シート)、東北急行バスでは3,900円(3列シート)に一時的に値下げをすることで客足の回復を図っている。
ツアーバスの台頭は路線バス事業者を窮地に追い込んでいる。しかし、ツアーバス事業者は、スキーバスで蓄えたノウハウ、女性客を意識したカラーや内装、HPや携帯での予約のし易さなど、新たな付加価値とマーケティング力で新しいユーザー層を引き出している。
路線事業者が苦手な部分をツアーバス事業者が掘り起こしており、結果的に路線事業者もそれに刺激を受けて、サービス面での改善が進んでいる。そういった意味では両者が競いあう意味はある。
但し、TBSの番組でもそうであったが、一般の利用者には両者の違いがわからない。管理人も便宜的に「定期路線高速バス」と「ツアーバス」という表現に分けて使っているが、それすらも決まった表記ではない。許可制高速バスと募集型企画旅行の高速バスでは更に難解になってしまう。
そのあたり誤解を招かないように「定期(路線)高速バス」と「ツアー(貸切型)高速バス」などに分けるなど表記の一本化が必要で、関係所轄機関で何らかの指針を打ち出す時期に来ているのではないか。

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