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楽天トラベルは総合旅行会社化へ 便利になったが利用者のモラル改善も必要では

楽天トラベルは、2009年も「総合化」を推進する。これは総合旅行サイトへの進化をめざすもので、代表取締役社長の岡武公士氏は2月12日に開催した「楽天トラベル 新春カンファレンス2009」で、「大手旅行会社のカウンターでできることは全てしたい」と強調。09年は宿泊の拡大を中心に総合化を進め、将来的には団体旅行や世界一周、添乗員の手配、学生旅行、オプショナルツアー、ダイナミックパッケージでの列車や船の手配を実現したい考えを説明した。(2/13付 トラベルビジョン

楽天トラベルといえば2003年「旅の窓口」を買収した当時は宿泊予約が殆どだったが、その後、レンタカー予約、海外への進出、ANAと組んだダイナミックパッケージ「ANA楽パック」、高速バス(ツアーバス)などジャンルを広げていった。
三木谷氏が 「ネットと旅行は相性がいいから参入した」と当初言っていたが、最近ではネット予約が旅の主流になっており、店舗へ行くのはパンフレットを仕入れに行く時ぐらいになってしまった。クルーズや海外の秘境など専門性が高いジャンルは、店舗の出番があるが、後の大半はネットでカバーすることができる。
また、今では店舗型の旅行会社サイトでも当たり前となっている「書き込み」だが、「旅の窓口」が始めた当時は画期的なサービスであり、ネットの有り難味を身にしみたものだ。口コミ評価と投稿数が鍵を握るようになっており、楽天全体での利用者の書き込みは2000万件あるという。今後、1億件を目指すというが、書き込み自体が旅行会社の財産と云えよう。
だいぶ前、朝日新聞の投書欄で伊豆の小さな宿の経営者から投稿があったが、印象的な内容だった。内容は、ネット旅行会社に加盟したのはいいが、当日ドタキャンされる、予定のチェックイン時間を大幅に遅れる、挙句に遅くなっておきながら料理が冷めていたことにイチャモンを付け、それを書き込みでボロクソにやられ、客のモラルの低下とネット万能社会を嘆いていたものであった。
国内の6割以上の旅館は赤字、体力がない宿にとって、ネットは救世主であると同時に、足を引っ張ることもあり、諸刃の剣になり兼ねない。宿の口コミ評価は大筋、当たっているが、中には主観で、読むに耐えないものもある。ドタキャンにしてもする方はワンクリックだが、宿側はわざわざ一人の客のために開けて、準備をしていることも多い。キャンセルポリシーはあるが、実際は請求し難い。
「楽天トラベル」が総合旅行会社化し、便利になればなるほど利用者のモラルが求められるような気がする。相手がいることを忘れてはならない。

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