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JR北海道が「レールメイト」を廃止、このままでは鉄道離れは加速する

JR北海道は十六日、往復割引切符を特別価格で購入できる会員制度「レールメイト」の入会受け付けを三月三十一日で終了すると発表した。会員減少が続いているためで、二〇一〇年三月三十一日ですべての特典利用を打ち切る。(2/17付 道新)

レールメイトは2001年にサービスを始めた中学生から25歳までを対象にした割引制度である。SきっぷやRきっぷなどが平均約5%引きで購入できるほか、レンタカーやJR北海道のパック旅行商品の割引を受けられる。本年度の1月末時点の有料会員数は3,987人で、ピーク時だった2002年度末から半減している。
JR北海道ではつい先日、往復割引きっぷ(SきっぷやRきっぷ)の値上げや一部廃止を発表したばかりだが、売上げの減少が値上げのかたちで跳ね返ってくると、この経済状況下、さらなる乗客離れにつながりかねない。
若者の旅行・鉄道離れは深刻である。「レールメート」(同様なサービスはJR九州にもある)自体、それを食い止めようと始めたサービスだが、廃止の原因は少子化だけではない。若者が旅をしなくなったと云うが高速バスの市場は伸びている。将来への不安や携帯通信費などで旅をする余裕はなくても、帰省や就活、買い物レジャーなどで長距離交通機関は使わざるを得ない。利用するならバスのような安くて、足回りがよい手段を選ぶ。
また、ローカル線の廃止などで最近は子供の時から鉄道に乗る習慣がない若者も多い。そうなってくると移動交通手段の選択肢に鉄道は最初から存在していないので厄介だ。
JRグループ各社では「青春18きっぷ」をはじめ、若者をターゲットにした企画きっぷや優遇サービスはいくつか存在するが、期間限定や旅行商品型のものが多く、たとえば新幹線に安く乗ろうと思っても学割乗車券ぐらいしか使えない。東海道新幹線「のぞみ」などは制約だらけで、気軽に利用できない。せいぜい旅行商品型の「ぶらっとこだま」か夜行の「ムーンライトながら」。ながらもこの春から定期運転でなくなるので、ますます高速バスにシフトするであろう。
シニア向けの割引サービスは盛んにPRしているが、将来の重要な顧客を軽視すると鉄道の衰退が仮加速する。現在は通勤通学などの需要があるため、若者優遇に熱心ではない本州のJR3社も、これだけ新幹線利用が落ち込んでいる昨今、考えてもいい時期ではないか。
この際、JR各社共通でスカイメートのような割引制度の導入はできないであろうか。最近、JR各社共通の企画きっぷは「周遊きっぷ」や「フルムーンパス」、外国人観光客向けの「ジャパン・レールパス」など国鉄時代からの流れを汲む商品だけとなっており、利益配分が面倒な新商品は開発されていない。
若者の鉄道離れ、旅離れをこのあたりで食い止めないと将来的には大きな痛手となる。そのためには、移動=鉄道を浸透させ、鉄道乗車、旅行機会を増やす動機付けを行なう必要がある。JR北海道だけではなく、鉄道事業者全体でアイデアを絞り、思い切った割引制度の導入をはかる時期に来ているのではないであろうか。

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