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好調な沿岸バスの「萌えっ子きっぷ」、地方バス会社のアイデアに期待するがバス停のネーミングライツなどどうか

留萌市や豊富町などでバスを運行している沿岸バス(羽幌町)が旅行者向けに企画した「萌(も)えっ子フリーきっぷ」=写真=が人気を集めている。利用者減少を食い止めようとの狙いだったが、留萌市にかけて「萌える」美少女キャラクターを作ったところ、道外からも申し込みが殺到。思わぬ反響に同社も「これを機会に乗客が増えてくれれば」と期待を寄せている。(5/5付 読売新聞)

「萌えっ子フリーきっぷ」については先月のブログで取上げたが、なかなか出足は好調のようだ。マスコミの食い付きもよく、道内だけではなく、トレンド雑誌の「DIME」などでも紹介されている。美少女キャラクターと地名を掛け合わせたネーミングが人気を呼んだのであろうが、JR北海道がKITACAを発売した際も、道外からの申し込みが多く、北海道関連の乗車券は付加価値が出やすい。
発売した沿岸バスは、これまで利用者増と認知度アップのために数々の施策を打ち出してきたことは、これまでも紹介したが、既存のバス会社にはない企画力と発想、そして何よりも路線バス事業と地域への愛着が込められている。
道内の大半の路線バス事業者は赤字で苦しんでいる。沿岸バスもご他聞に漏れず、1987年から運行している羽幌線の代替バスも、周辺の人口減少で利用者も廃線時の半分以下に落ち込んでいるという。
路線維持のためにはコストカットが優先事項になるが、沿線住民以外の人にもバスの存在を知ってもらうことが重要だ。とりわけ「楽しさ」、「遊びごころ」を前面に打ち出し、さらに公共交通の意義を啓蒙させることによって、新たな需要を創出することは可能であると思う。また、ネットの有効活用とバスファンへの浸透、メディアへの話題提供など媒体を効果的に活用することも重要である。
沿岸バスの事例はAKB系へ向けた特殊なケースと思う人もいるかもしれない。しかし、路線バス活性へ向けたアイデアはいくらでもあるはずだ。
たとえば網走交通や斜里バスなど道東の路線バスに乗ると「佐藤前」など個人宅名のバス停がけっこうある。昔はJTBの大型時刻表にも斜里バスで「平田宅」という終点バス停が掲載されていた。現在は離農などで廃集落などになったところもあるが、バス停はそのまま残っているところも多い。
こういった誰も乗らないようなバス停をネーミングライツで売り出したらどうであろうか。競技場や公共施設と同じノリだ。路線名自体を売り出してもいい。寄付形式のようなかたちで「♪次は○○前 お降りの方はブザーでお知らせ下さい ○○さんは路線維持の趣旨に賛同され、ご寄付をいただいております」などとテープアナウンスを流す。
最近開業した門司港レトロ地区の観光列車の場合、駅名・路線名がすべてネーミングライツだ。門司港レトロ観光線 のスポンサーは、山口銀行 で「やまぎんレトロライン」と命名。年間契約料は 2,940,000 円。始発の門司港駅 は、九州旅客鉄道がスポンサーで九州鉄道記念館駅と命名し 525,000 円など年間約420万円の収入が入る。
観光鉄道と違い路線バスに大口スポンサーを付けるのは難しいかもしれないが、以前、ふるさと銀河線が寄付を募り、寄付者には好きな駅に自分の名前が書かれたプレートを貼ることができた。路線バスのネーミングライツはこれをもう少し進化させたものだ。
さらにバス停を増やしてもいい。たとえば10万円ポッキリでオリジナルのバス停を制作し、好きな名前を付けることができるなど・・・・・
実はネーミングライツやバス停を増やすことに対して、運輸局の認可が下りるんだろうかという不安があったがどうも問題はないらしい。あるバス事業者でこの話をしたところ、興味を持っていただき、法律面も調べてもらった。
この他にも利用者アップに向けたアイデアはあるはず。奇想天外なカラーリングや車内を改造したバス、このバスに乗ると彼氏ができるといったラッキーバスをつくるなどネタはいくらでもあると思う。

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