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バス協会が千円ETC反対の要望書を提出、このままでは公共交通と地方の衰退が進む

マイカーなどを対象に土日祝日に実施中の「高速千円乗り放題」の拡充を政府が検討していることについて、全国約2300の事業者が加盟する日本バス協会(会長・堀内光一郎富士急行社長)は3日、近く国土交通省に反対の要望書を提出することを決めた。 (6/3付 道新)

ETC割引のいちばんの煽りを食らっているのは高速バス事業者である。利用者が激減している上、GW中は各地で渋滞に巻き込まれ大幅な遅延が起きている。免許届出制の高速バスは勝手にルート変更などが出来ない。貸切バスと同じ扱いのツアーバスならルート変更の自由が利くので、GW中の遅延率も多少低かったようだが、貸切観光バスを含めて、全体的にはかなりの遅れが生じている。
この要望書、当初はツアーバス対策も含まれているのではと解釈したが、ツアーバスもETC千円の犠牲者である。バス業界全体がダメージを喰らっており、これ以上削りようがないところまで節約をしている地方バス事業者にとっては死活問題である。
これはバス業界だけではなく公共交通全体の問題である。GW中はJRも平均数パーセント落ち込み、特に厳しいのはフェリー会社である。瀬戸内航路のフェリー会社は橋が3本架かったおかげで、高速バスに客足を奪われ、今度は自家用車である。すでに多くの会社が廃業しているが、今後も増えそうである。
先日、知人の娘さんが「関ジャニエイト」のコンサートを見に横浜から仙台へ行った。開催が土曜日、会場が中心から離れている利府なので、金曜深夜ETC割引を利用して東北道を走ることになった。ところが連れが急病でひとりとなったため、運転は諦めて、夜行のツアーバスで行ったらしい。ETC割引がダメなら次に安いのがツアーバスということで選択したのであろうが、これでは高速路線バスや新幹線など公共交通はますます落ち込んでゆく。
景気浮揚策で始めたETC割引だが、高速バスやフェリーなどが潰れ、失業者を多く出したら何のための対策なのかわからなくなってしまう。また、そこで犠牲になるのはおもに地方の人たちであり、矛盾だらけの千円乗り放題とも云える。環境面と併せ、一過性の施策にしても、問題が多い。
 

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